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文学の徴候
 
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文学の徴候 [単行本]

斎藤 環
5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ひきこもり臨床医が日本文学の「いま」を精神分析!新しい世界の扉を開く二十章。

内容(「MARC」データベースより)

「ひきこもり」を専門とする精神科医が、日本文学の「いま」を精神分析! 創造の源泉とは何か? 大江健三郎、金原ひとみ、町田康、村上春樹、柳美里など、日本を代表する作家達の作品を診断する、画期的で超斬新な文芸評論。

登録情報

  • 単行本: 358ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2004/11/6)
  • ISBN-10: 4163664505
  • ISBN-13: 978-4163664507
  • 発売日: 2004/11/6
  • 商品の寸法: 19 x 13 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.0  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By モワノンプリュ VINE™ メンバー
形式:単行本
 斎藤氏とは「文脈病」で出会って以来、ほとんどの著作に目を通してきた。しかし、いつごろからだろう、話がワンパターン化しているような気がして、読みたいという気持ちが萎えてきた。今回の著作も購入するかどうか迷ったけれど、半分惰性で買った。で、読んでみたら面白くて、スルスルと最後まで読まされてしまった。著者の新境地だ感じた。この著者ともう少し付き合ってみようかな、と思った。
 基本的には、著者の専門である精神医学・精神分析を用いて作品を分析していく内容。作家自身の分析に踏み込む部分もあるが、石原慎太郎論を除けば、かつて蓮實重彦などが対象として設定したような「~的存在」の分析に(ほぼ)踏みとどまっている。その辺は、作者本人をカッコに入れる現代の批評理論を踏襲していて、病跡学とは一線を画している。ただし、大塚英志論や鎌田哲哉論あたりを境目にして、後半に進むほど緊張感が緩んでいるような印象。とくに鎌田論はいただけない。著者自身、この回は原稿落ちを覚悟したというから、かなり苦し紛れではないかと推測する。
 ついでに言うと、著者の「ヤンキー文学」への期待は、ちょっと共有しかねる。著者が「ひきこもり系」だから、「自分探し系」が脱出口に見えるのかもしれないと邪推してしまう。 
このレビューは参考になりましたか?
8 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By sinkiti
形式:単行本
 ラカン派の精神分析医による文芸評論。
 構成は、大雑把にいえば、1~6章はその出自がサブカルチャーの新しい作家。7~11章は比較的評価の安定した中堅作家。12~19章は批評家、フェミニズムと無縁でない作家、古い作家。そして、20章がこれから来るかもしれない文学傾向である。
 私の印象では、本書の特徴は以下のとおり。
 1)ジジェクの日本版。つまり、文学を使ってラカンを学ぼう。
 2)メディア論。現代メディアはこんな風に文学へ影響するんだ。
 3)斉藤環。勤務医。臨床を踏まえて、作家論してます。
 著者によると、この文芸評論はラカン研究者である宮本忠雄のエピパトグラフィーと現代メディア論との中間物であるそうだ。つまり、ラカンは読者の前提すべきものであり、その理論がメディアと作家の関係を説明する。これじゃ、分からん人は分からんわけだ。しかし、分かっている人だって、本書を分からないはずなのだ。なぜなら、分かっている人は「ラカンは分からない」ことも知っている。では、なぜ本書を読むのか。ラカンを分かるためである。つまり、分かっている人はラカンを学ぼうと本書を読む。
 また、著者のメディア論は『文脈病』では、表現者-受容者関係での耐え難いフラットさによって、その作品が病跡学的な徴候を孕まざるをえないというぐらいの意味だったとおもう。しかし、本書では、作者への影響だけでなく、作品内でのメディアの役割にまで言及され、そのメディア論の意味は多様である。この多様さのために、後半へ進むにつれ、メディア論としての主張が弱くなる印象を拭えない。後半に進むほど、顔の知れている作家ばかりになり、著者に論じてもらう必然性がなくなるからだ。
 ところで、著者は勤務医の経験を現代の精神医療の知見補完に役立てる。舞城王太郎の登場人物の特徴を論じる際に、人格障害の基準は流動的で、統計的調査のための基準以上の意味はないことを述べてから、自分の経験ではと前置きして、フィクションのキャラみたいな人物であることをいう。このような現場のリアリティーが舞城小説キャラの妙なリアルさを説明するわけだ。
 上記三点で、この本はおおむね面白と思うよ。
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17 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
~今、一番冴えている文芸評論。
本職は精神科診療医であるため、自分では日曜文芸愛好家と謙遜しているが、謙遜が嫌みに聞こえるほどクレバーな評論だ。
そのクレバーで刺激的な内容が受けて、今では臨床関係の連載より文学関係のほうが多いくらいだ。
他の文芸評論家にはスルーされている、舞城王太郎や町田康、中原昌也、小川洋子、阿部和重といった面々~~をきちんと取り上げていて、いかに彼等が今の文学シーンで重要かが見えてくる。作家自身にとっても救われる書なのではないか。~
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