最近の比較文化心理学の研究成果がよくレビューされていて、比較文化心理学に興味ある方は、お勧めの一冊である。特にMarkus&Kitayama(1991)が主張した文化的自己観について、ある一定の成果は認めつつも、独自の反証を行なっているところは圧巻である。一方、残念なのは、翻訳があまりにもお粗末であることだ。読みを深めるというよりも、読みの妨げとなるのは、いかがなものか。例にとると、文化的自己観(self-construal)を、自己解釈と訳していたり、自己高揚と自己卑下の訳を、自己向上と自己喪失と訳していたりするのは、なんとかならないか。訳の第2版がでるのであれば、もう一度、原文にあたり、丁寧に訳してほしい。内容は、☆5つであるが、訳があまりにもひどいことから、☆3つにしたいところだが、☆4つにしておきたい。