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文化と外交 - パブリック・ディプロマシーの時代 (中公新書)
 
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文化と外交 - パブリック・ディプロマシーの時代 (中公新書) [新書]

渡辺 靖
5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o o
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登録情報

  • 新書: 204ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2011/10/22)
  • ISBN-10: 4121021339
  • ISBN-13: 978-4121021335
  • 発売日: 2011/10/22
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.4  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
 著者は慶応義塾大学でアメリカ研究と文化政策を専門とする教授。『アメリカン・デモクラシーの逆説 』などの著作があります。
 これはアメリカに限らず、日本も含めた様々な国のパブリック・ディプロマシーの過去、現在、そして未来について記した一冊です。

 パブリック・ディプロマシーとは、「政府や議員が国家を代表して相手国のカウンターパートと行う伝統的外交とは異なり、政府が相手国の国民に対して行うこと」を最大の特徴とした外交活動を指します。
 古くはローマ帝国にもその例を見ることができます。ローマは征服した異民族を要職に登用し、彼らが信仰する宗教を容認し、固有の言語の使用を許可するなど、寛容と同化に基づく施策を徹底したことで知られます。
 
 アニメなどの文化を世界に紹介するクール・ジャパン政策について著者は、その現状の難点を指摘しています。
 クール・ジャパンを活用することで達成しようとしている政策目標は極めて曖昧で、働きかける対象も不明瞭な印象は免れない。国家全体のイメージを漠然と、不特定の対象に向けて高めようというのはムリだと著者は言います。

 一方、中国のパブリック・ディプロマシーは日本に比べてはるかに大規模であり、この本を読む限り、日本はますますジャパン・パッシングの憂き目にあうのではないかと暗澹たる思いにとらわれます。

 そしてこの本を読んでいる最中に私の記憶に蘇った一冊の本があります。それは『大仏破壊 バーミアン遺跡はなぜ破壊されたか 』です。
 アフガニスタンがタリバン政権下にあった当時、その政権内部にも穏健派がおり、諸外国はこの穏健派を通じてタリバンとアルカイダとの間に楔(くさび)を打とうと試みた時期があります。
 アメリカはそうした穏健派要人を自国に招待して文化財保護の実際を見聞させる戦略を取っていたのです。メトロポリタン美術館を見学したアフガニスタンの要人たちは、帰国後にカブールの美術館を整備していこうとするほどアメリカの感化を受けるのです。
 アメリカの対アフガニスタン外交には当初、まさにパブリック・ディプロマシーの要素があり、相手の心と精神を巧みにつかみとろうとするものでした。しかしパブリック・ディプロマシーがやがて放棄された後に一体何が起こったのか…。
 そのことを思い返すと、この中公新書が語らんとすることの奥深さがより鮮明に見えた気がします。
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6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Ai
「外交」といえば、一般的にイメージとしてあるのは、安全保障や経済について外交官が交渉する場面であったり、など、自分たちとは「遠く縁がない存在」なのではないだろうか。

ところが、本書が扱っているのは、その外交が、「文化」を扱うという、「パブリック・ディプロマシー」というジャンルである。「文化」であれば、だれもが日々触れているものである。

通常の外交が、政府対政府(Government to Government, 略して「G to G」とも言う)であるのに対して、「パブリック・ディプロマシー」が扱うのは、「Government to People (G to P)」である。

つまり、国家の予算をかけて、他国の人々に対して直接働きかけるべく、さまざまな国家事業を展開するということだ。文化イベントに参加してみた人は、まさか自分が相手国政府のなんらかの戦略に基づき予算配分を得ているプロジェクトを目にしていた考えにくいものである。たとえば、東京で開催されるドイツ映画の上映会。なんとなく興味があって、入場料も安い(もしくは無料)なので、足を運んだ日本人の観客は、自分がドイツ政府の外交政策の一部に参画していた、とは思わないだろう。しかし、実のところは、そうなのだ。

ほかにも、長期的な成果を狙ったものでは、自国に国費留学生として来てもらい、将来、その国でリーダーになってゆくような若手に対して戦略的に自国を直接見て生活してもらうというものもある。この中では、第二次世界大戦後に、米国の上院議員フルブライト氏によって創設され、戦後の日米相互理解の促進に大きく貢献したと見られている米国のフルブライト奨学金が有名だ。

そういった、パブリック・ディプロマシーの、歴史から、現在の日々の実際のプロジェクトまで幅広く教えてくれるのが、本著であり、この分野に興味のある学生や社会人はもとより、海外駐在中の企業人や、民間外交に携わるNPO・NGOの人々などにも、気づきを与えてくれる良著である。

ゆくゆくは、文化と外交にたずさわる人たちの必読書になってゆくだろう。

【PS アマゾンの商品写真に、本の帯が付いていないのが非常に残念。帯があればもっと注目されそうだ。
なぜなら、それはかわいい日本のガールズファッションに身を包んだ「カワイイ大使」(=外務省がポップカルチャー発信使として任命したカワイイ女性3名)がそれこそかわいらしく映っており、中公新書のお堅い装丁と見事なコントラストを見せているから・・・】
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By 藤崎健一 トップ1000レビュアー VINE™ メンバー
 パブリック・ディプロマシー…聴きなれない用語ですが、乱暴に書いてしまうと国(及び関係団体)による
他国の国民(あくまで一般人)に向けた広報戦略です(J・ナイが提唱したソフトパワーの展開もこれに含まれる)。
わが国でいえば「Cool Japan」がそれに相当します。

 この本は、まずそのパブリック・ディプロマシーの黎明(ローマ帝国の植民地政策−現地人登用、言語不改正
その地の宗教も禁止しなかった−に遡っています)から、中世、そして両大戦を経て冷戦期までの概要をまとめて
います。その上で、パブリック・ディプロマシーの*1)5類型の例を紹介しています(米軍のトモダチ作戦
キューバの医療外交等)。

 しかし(当然ともいえますが)、所謂「広報」の一環なので、具体的な効果は見えにくいです。
また、自国の魅力(文化等)を訴える訳ですから、文化(精神)的侵略ともいわれかねません。先に上げた2点を
初めてとして、批判する人達もいるわけです。その部分についても焦点を当てています。

 そして最後に「では?日本のそれはどうなのだ?」と、わが国の現状について述べられています。

 当然、「広報」ですからそれを伝えたい相手を絞りこみ、そこに向けたメッセージを発信する必要があります。
しかしながら、本書を読む限り「Cool Japan」にはそれがないようです。せいぜい「日本はこんなに素敵だよ」
ぐらいの効果しか無いのです(詳細は本書で御確認下さい)。

 ハズレ率の低い中公新書です。この本もパブリック・ディプロマシーとは何かを概観するにはうってつけの
一冊です。サクッと読めますのでその点でもお勧めです。

*1)5類型は…1)対象理解、2)政策広報、3)文化外交、4)交流外交、5)国際報道
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