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文化と両義性〈哲学叢書〉
  

文化と両義性〈哲学叢書〉 [単行本]

山口 昌男
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

膠着した状況を活性化し,文化が本来もつ創造力を回復するために,風土記からロシア・フォルマリズムに及ぶ文化の広大な領野に記号論的アプローチを試みる.著者はさらに現象学を愛用しつつ,文化のもつ両義的な性格に着目し,それを分析の軸とした新たな文化理論を提起する.70年代後半以降の日本の文化界に多大な影響を与えた名著.中沢新一解説 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

膠着した状況を活性化し、文化が本来もつ創造力を回復するために、風土記からロシア・フォルマリズムに及ぶ文化の広大な領野に記号論的アプローチを試みる。著者はさらに現象学を援用しつつ、文化のもつ両義的な性格に着目し、それを分析の軸とした新たな文化理論を提起する。70年代後半以降の日本の文化界に多大な影響を与えた名著。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。

登録情報

  • 単行本: 266ページ
  • 出版社: 岩波書店 (1975/5/30)
  • ISBN-10: 4000045822
  • ISBN-13: 978-4000045827
  • 発売日: 1975/5/30
  • 商品の寸法: 19.6 x 13.8 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 5.0  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By akiolee
形式:文庫
1975年に岩波書店から刊行されたものの文庫化。
「『文化と両義性』はそれゆえ、文化の様々の局面での異(=外部性)の問題を論じる試みであった」(本書「岩波現代文庫版のためのまえがき」より引用)とあるとおり、著者の70年代における主要な研究テーマであった「中心と周縁」概念について、社会・文化の広範な領域に関して記号論的に論じている。
第1章では、風土記の中に記された、「周縁」の再生産のメカニズムについて論じている。
第2章では、リグ・ヴェーダ、ギリシア神話、新約聖書等を題材にして、普遍的な「神話思考における負の価値の発生論的形態」すなわち昼と夜との争闘神話の発生メカニズムについて触れ、文化の中でいかにして「「否定的」な存在を媒介として「秩序」が確証される」かについて論じている。
第3章では記号論の見地から、秩序と混沌とを分ける「境界」の創出過程について論じた上で、その境界を明確にするために、攻撃誘発性(ヴァルネラヴィリティー)を付与された「異人」に関して考察している。
第4章では種々の民族誌的研究から、文化の現実的側面(プラクシス)において「異和性」はどのように捉えられているかについて論じている。
第5章ではA.シュッツの現象学的社会学について触れつつ日常世界の多義性について考察している。
第6章は再び記号論の見地から、社会を構成する「中心」と「周縁」という構造について分析し、中心の「象徴論的次元における周縁との緊張関係」について論じている。
第7章では、現代における両義性を取り戻す試みとしてのロシア・フォルマリズムについて論考している。
本書は初出後30年を経ていることになるが、その分析の先鋭性は今なお失われていないと感じられる。むしろ一面的な価値観による支配が急速に進む、今日のグローバリぜーションの状況において、著者の主張する「多義性」の復権はより重要性を増しているのはないかと思われる。
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形式:文庫
日本を代表する文化人類学者である【山口昌男】先生が書いた、名著中の名著が本書『文化と両義性』である。以前読んだ『道化の民俗学』も素晴らしかったけど、あれが各論的な著作であったのに対して、本書は思想家としての山口昌男先生の神髄を非常にコンパクトにまとめた総論的な内容である所が非常に素晴らしいです。学問的な本なので端的に内容を要約するのは難しいが、それでも本書の主要テーマをまとめてみれば【光と闇の共存性】ということだと思う。人間は光だけでは生きられない。光だけでは生命力が硬直化して衰退してしまうからだ。逆に人間は闇だけでは生きられない。闇だけでは矛盾し分裂した混沌状態に陥ってしまうからだ。人間が人間として生きて行くためには、光と闇を同時に抱えながら生きて行かなければいけない。例えば私の例で言えば、マザー・テレサを誰よりも尊敬する私が、実はローリング・ストーンズの大ファンであるように、心の中で光と闇を共存させて行かなければ人間は人間として生きて行けないのである。非常に卑近な例で恐縮だが、全人格的な人間の在り方を提示したという意味で、本書は大変素晴らしい名著である。興味がある方には、是非オススメします。良いです。
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