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敵討 (新潮文庫)
 
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敵討 (新潮文庫) [文庫]

吉村 昭
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

惨殺された父母の仇を討つ―しかし、ときは明治時代。美風として賞賛された敵討は、一転して殺人罪とされるようになっていた…新時代を迎えた日本人の複雑な心情を描く「最後の仇討」。父と伯父を殺した男は、権勢を誇る幕臣の手先として暗躍していた…幕末の政争が交錯する探索行を緊迫した筆致で綴る「敵討」。歴史の流れに翻弄された敵討の人間模様を丹念に描く二篇を収録。

内容(「MARC」データベースより)

老中水野忠邦とその手足となって辣腕をふるった鳥居耀蔵による天保の改革を背景に、幕末の政争と社会情勢の変遷を克明に浮かび上らせる表題作と、新時代を迎えた日本人の複雑な心情を描く「最後の仇討」。対になる二篇を収録。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 217ページ
  • 出版社: 新潮社 (2003/11)
  • ISBN-10: 4101117462
  • ISBN-13: 978-4101117461
  • 発売日: 2003/11
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
身内が惨殺されるという事態に陥れば、現代でもその加害者に対して復讐を遂げたいとする意志を持つ人は多いし、世間一般も復讐という思いに対しては同情的であるのは、殺人犯に対する死刑判決には8割以上の人々が支持していることでもうかがえる。

封建武士社会では、復讐は即ち「敵討」と言われ、美風とされていたし、むしろ、敵討をしないことは、武士道にもとる行為と非難された。

しかし、実際問題として、所定の手続きを取り、敵討の旅に出たとしても、仇に会える確立は極めて低く、更に、実際に敵討成就は、難しかったといわれる。

本書が題材にした敵討は二つある。

一つは、剣客の伯父を闇討ちによって、又、その伯父の敵討に出た父を返り討ちによって殺された男が、江戸から長崎まで足を伸ばし、実に8年の年月の苦心の末に敵討を果たした一件である。しかし、この苦難の敵討の間に心と体はすさみ、敵討成就後は抜け殻のようになって、梅毒で死んだ。

もう、一件は法治国家となった明治の時代に、江戸時代末期に、父母を目の前で惨殺された当時14歳の男が、13年の苦難の末、当時判事となっていた犯人を殺害した「最後の仇討」である。

江戸時代の美風であっても、法治国家では殺人でしかないこの行為に対して、明治政府がどのように対処したか、或いは一般の市井の人々はどのように反応したか。

何時もの吉村節調の淡々とした事実描写が、却って、仇討ちという復讐行為の虚しさにぴったりだ。

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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By amedio トップ500レビュアー
形式:文庫
この本には、「敵討」「最後の仇討」の二作が載っている。
「最後の…」は「遺恨あり〜明治十三年最後の仇討」というタイトルでテレビドラマ化された。主演は藤原竜也さん、臼井六郎の役である。
吉村昭氏の著書は好きなので(まだまだ読んでない作品のが多いが)、ドラマの後だが、早速、原作を読むことにした。
「敵討」は、末期といえども、まだ江戸時代。 敵を討つ手順をふんで(願い出をして)、意気揚々と故郷を後にしたと思う。
時代はもっと古いが、ドラマの「水戸黄門」にも、敵討のシーンが出てくる。もっとも、たいていは相手が物凄い悪で、黄門様一行の前に討ち取られるのであるが。
しかし、時代物の本を読んだりしていると、一度姿をくらましてしまった相手は、探す方法も限られる、それも噂を聞いて行けば、本人ではない。
金は尽き、精魂尽き果てて、故郷へは帰れず、身分を捨てるような形で一生を惨めに暮らした、という話の方が多いくらいだ。
それにしたら「敵討」の伝十郎は、運が良かったと言えるのか、敵をみつけることが出来た。
「最後の仇討」の方は、時代が悪いというか、明治維新が起こり、日本はみるみるうちに変わり、廃藩置県だ、仇討禁止令だ、武士は武士ではなくなって刀を差してはいけなくなった。
驚くことには、六郎の父親を殺した人物は、判事になっていた。
最近になって「殺人の懲役(15年)」が15年でなくなった。 現代では「親の敵!!」なんていう言葉は聞かないが、時代が幾ら変わっても、親や子、身内を死に至らしめた相手に対する気持ちは同じだと思う。
ただ、自業自得とはいえ、敵を討たれた相手にも、妻子や兄弟がいるだろうにと思う。
「敵討」と「最後の仇討ち」、少ししか年月は違わないのに、両方とも敵を討つ話なのに、全く違うもののように感じた。
相手を仕留めた時、どんな気持ちだったのだろうか…。
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14 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
一編目の「敵討」は、殺された伯父の敵を伊予松山藩の甥がうつという話。水野忠邦や鳥居耀蔵などの大物の陰謀が鍵を握っているわりには、内容の広がりがなくちょっと残念。当時の義理人情話として読めばOKってとこか?

二編目の「最後の仇討」は、幕末の動乱の中、幼くして両親を惨殺された主人公が長年にわたり犯人を捜し続けるが、敵討ちの禁止された明治になり、犯人は裁判所に勤める役人になっていた。さあどうする?
廃藩置県により藩士が役人になっていくようすは、官僚国家日本の原点を見るようで、変なところで感心してしまった。主人公の執念と時代の変わり様が丹念に描かれており、それなりに楽しめた。

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