はじめの方は群論の知識が必要。先に「素数夜曲」吉田武、「読んで楽しむ代数学」加藤明史読んで。
足し算という演算で閉じていて、何倍してもその中に収まるということ。
偶数同士を足しても偶数だし、偶数を何倍しても偶数だよね!(これがイデアルのイメージ)、他方、奇数を2Z+1で表わすと、奇数同士の足し算は偶数になり閉じてないので群にならない。
偶数でも奇数でも,偶数を掛ければ偶数になりますから,イデアルの定義を満たしています。
整数全体の集合 Z において、イデアル 2Z は唯一の数 2 で生成されている。この唯一の数で生成されるイデアルのことを単項イデアルという。すべてのイデアルが単項イデアルである整域を単項イデアル整域(PID)という。有理整数環Z(加法と乗法により環をなす)は単項イデアル整域である。整数における素数にあたるものを素元、素数の倍数にあたるものを素イデアルという。たとえは3の倍数の集合で考えると、可換環となって、差も3の倍数となり、また、何倍かしても、やはり3の倍数となる。これがイデアルになることがわかる。
整数環 z で,ある素数 pを取ります.p から生成する単項イデアルはI={-3p,-2p,-p,0,p,2p,3p} のように p の倍数全体からなる集合[p] になります.確かに,どんな整数もp の倍数を掛けたら p の倍数になってしまいますから,[p] はイデアルになっています。簡単に言って足し算と掛け算ができる集合を環と呼びます。
イデアルは確かに、ある2つの条件が成り立つ部分集合です。
部分集合と言うからにはまず全体がなければ始まらないので、
全体をA、その部分集合であるイデアルをBとします。
Bで成り立たなければいけない2つの条件は次の通りです。
・Bの中のある元に、『B』の中のどんな元を『足して』も、Bの中に戻ってくる。
・Bの中のある元に、『A』の中のどんな元を『掛けて』も、Bの中に戻ってくる。
例えば、Aを整数、Bを5の倍数とします。BはAの一部ですね。
・5の倍数に5の倍数を足すと5の倍数になります。
・5の倍数に整数を掛けると5の倍数になります。
上の2つの条件がきれいに満たされていることが分かると思います。
なので、5の倍数と言うのは、整数の中で上の条件を満たす部分集合、イデアルになるわけです。
イデアルというのは環の部分集合ですが、その環にイデアルがあると剰余環というものが定義できます。剰余環というのは割り算してできる環です。(剰余は割り算を意味します)
Rを環とし、mをそのイデアルとすると、Rをmで割った環である剰余環R/mが定まります。割り算を考えて剰余環を作ることで元の環のことがわかったり、無限なものを分類し有限なにして調べる便利なことがあるわけです。(位相空間でいえば商空間というのがありますが)
群論を勉強していれば正規部分群というのが出てきます。これも要するに一緒で、群Gの正規部分群Hがあれば、剰余群G/Hというのが出来上がります。こうしてGをいろんなHでじゃんじゃか割って行くと、元の群であるGの様子が分かるわけです。(たとえばGの正規部分群がGと単位群しかなかったら単純群という群になります。剰余群がアーベル群であればこれは可解群という群になります。可解群はガロア理論で重要です。
楕円曲線の話題については
代数幾何学」硲文夫,「数論I」加藤和也,「数学21世紀の7大難問」中村亨
「暗号理論と楕円曲線」辻井重男,「数論入門講義―数と楕円曲線」J.S. Chahal
ネットで「数学者の密室」や有限体についてやさしい解説deepwave.web.fc2.com/coding.pdfの26頁が非常にわかりやすいので必見です。