内容紹介
極選シリーズの中で,本書は,数学の問題演習を通じて習得すべき数学の基本事項,いわば,実践的な闘いに向かう際の心得を最初に凝縮して示し,読者はそれを理解した上で実践的な演習問題に立ち向かってもらうという構造をもったものです。数学的な概念の理解なしに個別的な問題演習に向かうのは,地図やコンパスなしに深い森の中を木々に目印をつけているようなもので,いくらやっても,森を理解することも森から脱出することもできません。反対に良い地図や正しいコンパスがあれば,どんなに深い森ももっとも能率良く抜けることができます。本書で扱うのは,文部科学省の学習指導要領の言葉で言えば,数学I,数学A,数学II,および数学Bの「ベクトル」と「数列」の範囲に属する数学的主題です。入試での重要性を考慮して(出題頻度はもちろんですが,それ以上に,その理解の深浅が結果に大きく影響するという意味で,クリティカルな重要性も考慮しています。さらに,多くの高校生,受験生が誤解/混同しているが,ちょっとした情報の追加で正しい理解が大きく前進するという意味の教育効果の大きさも視野に入れています。)50個の主題を選びました。
著者について
長岡亮介(ながおか・りょうすけ)先生は,長野県生まれの横浜育ち。東京大学理学部を経て,東京大学理学系大学院博士課程を修了。
津田塾大学助教授,大東文化大学教授を経て,現在,放送大学教授。ラジオやテレビでそれぞれ「数学の歴史」,「線型代数学」,「数学とコンピュータ」,「情報システム科学」,「数学再入門」などを講義されています。
専門は,近現代数学史,数理思想史と最近は情報科学論。
「数学の意味を追いかけていったら数学史にたどりつき,最近は,進展する ICT 革命に,数理哲学と数学史の立場から強い関心をもっている」そうです。
著書は「現代数学への誘い―線型代数学」(ブレーン出版),「知の革命史―数学と運動力学との出会い」(朝倉書店・共著),「ニュートン自然哲学の系譜」(平凡社・共著),「情報システム科学」,「数学再入門」(放送大学教育振興会),「大学への数学」シリーズ(研文書院・共著), 「本質の研究」シリーズ(旺文社),「本質の解法」「本質の演習」シリーズ(旺文社・共著),「極選(大学入試数学問題集)」シリーズ(旺文社),他多数。