タイトルで非常に興味をそそられました。原題はただの「improbable(ありそうもない)」ということで、うまい邦題の付け方だと思いました。帯やカバーの記述も絶賛の嵐で、これはやはり手に取っちゃいますね。
のっけから数学的なトリビアが散りばめられており面白いことは面白いのですが、本筋に深くからんでくるようなものではないことが読み進むうちにわかってきます。また、登場人物は皆あまり深みが無く、悪い意味で漫画的な印象を受けました。アクション場面や終盤、物語が収束してくるあたりはかなり読ませますが、途中の伏線の張り方がややぎくしゃくしており、トータル的な小説の完成度はそれほど高くないように感じられました。クライトンらと比較されることが多いようですが、(あとがきにも同様のことが少し書いてありましたが)個人的にはM・ナイト・シャマランの映画から受ける印象に近い読後感を持ちました。
結論としては、平均的な水準の作品という評価になります。途中で投げ出すことはまず無いでしょうし、それなりの満足感を得られる方が多いとは思いますが、「ハードカバー2冊、高かったな・・・」とお感じになる方も結構いらっしゃる気がします。