岩波書店の宣伝文句は「数学基礎論の教科書」である。確かに基礎論を一冊で一通り俯瞰する形にはなっている。この手の本は日本で初めてと言えるのではないか。しかし、実にミスが多い。それもおよそ「教科書」としては通用しないであろうと思われる見落としや校正の不確かさがある。およそ学術書でこれ程の粗雑な出版物に接したのは初めてである。著者のHP?で訂正内容が発表されてはいるが、著作を公表、出版する者としてそれで済むのか。出版社と著者が本書の出版に対して極めて甘い取り組み方をしたのではないかと想像せざるを得ない。日本でも数学基礎論のこの手の本が出版される時代になったかと急ぎ初版を購入したが、将来の第(?)刷目かと交換してもらいたいというのが実感である。また一方で、学術書の出版も悪い意味で肩の力を抜いたものになってきたのかという疑念を持つ。