「数学ガール」は出版前から結城さんのWebサイト上で読んでいました。
ストーリー展開の秀逸さもさるところながら、読み終わって思うのが
「教える事」「教わる事」のエッセンスがふんだんに盛り込まれていると言う点です。
「テトラちゃん」の様に自分の得意分野での考えを苦手分野に導入して「何故だろう」と感じる姿勢。
「僕」の様に初心者に対してまず「定義」を重視し、「おまじない」で済まさせずに基盤を確立させ、
「何もしない」よりも「何かした」事を認める姿勢。
「ミルカさん」の様に知識をひけらかす事無く、付かず離れずの絶妙な距離感での
「新しい解法への誘い方」、
「僕」の弱点への確実な指摘を通じての「視点」の広げさせ方、
そして「僕」が一旦挫折した解法に対して「これでも間違ってはいない」と示す実力と責任感。
「村木先生」の様に問題をその場で即答したミルカさんにひるまない、余裕を感じささせる応対の仕方。
つまり、出来る生徒に対しての上手い切り返しの仕方。
と言った具合にスキルが異なる者同士での相乗効果を考えたスキルアップについて色々と考えさせられました。
先輩から後輩への「教え方」
後輩から先輩への「教わり方」
これらが数学がテーマの淡い恋物語の中に一緒に詰まっていて非常に内容の濃い本です。
文句なしの評価5です。