数学を知らずに経済を語るな! という題名、そしてその主旨はすばらしい。東大法学部が牛耳る財務省にあって、東大数学科出身ゆえに異色だった著者が、数学こそが経済にとって本当に必要なことを、この著書で世に対して訴えているように見えます。
内容は、前半は、高橋先生持論の、リフレーションで消費税増税論を切ります。紙幣を刷って、インフレを起こし、名目成長率を上げて、国債を返す。同時に、円安にして景気を浮揚させる、というもの。
中盤が、恐らく本書の要。データは定義をしっかりおさえること。確率の表現(10年以内に何%で起こるなど)には気をつけることなど、例をあげて数学の重要性を説いています。
最終章は、マクロ系経済学のさわり。でも、この部分だけの説明では、「なんとなく、こういうものがあるのだ。」という程度しかわからないと思う。
私にとって、残念なのは、その構成が対話形式であること。対話形式の方が、わかりやすいという意見もあると思いますが、対話でない方が著者の言いたいことがもっと言えたのではと思います。また、題名だけ見ると、この本で、経済の数学についていろいろ説明されているのだと期待するでしょうが、この本は数学が大事だということを伝える本であり、数学を学ぶ本ではありませんので、念のため、お気をつけください。