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数学は最善世界の夢を見るか?――最小作用の原理から最適化理論へ
 
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数学は最善世界の夢を見るか?――最小作用の原理から最適化理論へ [単行本]

イーヴァル・エクランド , 南條 郁子
5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

光はどのようにして自らの行くべき最善の道筋を知るのだろう?
最小作用の原理を発見したモーペルテュイは、
それを「神の叡智」によると信じた。
ライプニッツの「可能世界」の概念とも結びつき
18世紀に自然哲学上の議論を呼んだこの原理は、
解析力学が成熟するにつれ、形而上学的意味を失っていく・・・・・・。
本書は、最も合理的な解の解法をめぐる400年の物語だ。

オイラー、ハミルトンらによる解析力学の数学的発展、
「力学を幾何学の領域へ連れて行った」ポアンカレ。
数学によって世界の新たな見方を切り拓いた
天才たちの離れ業には、魅了されずにいられない。
著者はビリヤード球の運動を例に、
可積分系から非可積分系への移行、
計算から幾何への移行やカオスをわかりやすく描出している。

さらに同じビリヤードを使ってグロモフの
「古典力学の不確定性原理」が解説されるのも、
偉大なパズルが解けていくような驚きと痛快さがある。
力のある読者はぜひ、ガリレオの夢を実現するという
シンプレクティック幾何への道のりをより詳しく語っている
付録3に立ち寄ってみてほしい。

最適化問題として「最善世界」の条件を解くことは可能なのか?
末尾の数章は、最適化の科学は
神のごとき全知とは異なるという諌めでもあり、
同時に、合理性への希求への
ゆるぎない支持表明といえるだろう。

内容(「BOOK」データベースより)

モーペルテュイが「神の叡智」と信じた最小作用の原理から、解析力学の発展、シンプレクティック幾何へと至る、めくるめく探求の物語。

登録情報

  • 単行本: 384ページ
  • 出版社: みすず書房 (2009/12/18)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4622074672
  • ISBN-13: 978-4622074670
  • 発売日: 2009/12/18
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.8 x 3.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.1  レビューをすべて見る (8件のカスタマーレビュー)
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形式:単行本
 本書にはガリレオを始発点として、学べども尽きせぬ内容が詰め込まれている。それは著者が研究で辿った跡であり、物理、数学、生物、経済を巡るカオス的な道のりだ。縦糸には、物体は(ある)作用量が最小の経路を必然的に通ると、当初は提示された「最小作用の原理」が据えられ、その命運が綴られる。これは、物体の経路には(最上位の)合理的必然性があるとするもので、当初は神、後には人間の深い叡智の証明でもあった。
 現実(物理、生物、経済など)を数学化するとは、ある抽象化を施す(あるフィクションを導入する)ことであり(直線や質点の定義を考えよ)、その際ある種の現実を見事に捉えきることがある。それは古代から現代まで試みられてきたことで、人間はかつてそこから世界を(その未来をも)捉えきれると野望し、実際に大きな果実も手にしてきた。が、代償も計り知れないと著者は言う。今では、解の存在しない運動方程式の方が現実には一般的で、世界は混沌とし不安定(カオス的)で、温暖化に曝される地球の今後は誰にも分からない。最小作用の原理も、物体の経路は作用量最小ではなく単に停留化するに過ぎないと、限定的意味しか持たないことがわかった。歴史とは進歩ではなくランダムな歩みに過ぎない。
 けれど、著者は本書が「失敗の物語ではない」とする。人間の知力は限られるが、その限定を考えると驚くほどの成果をあげていないか。最小作用の原理も足が地に着き、今は物理学や数学で新たな発見を生む(強力な)道具となった。現代の世界に楽観は持てないが、この限定された合理的な知の営みに、著者は「希望」を見出すのだ。
(最後に、適切な訳注など、翻訳者の行き届いた配慮が有り難かったことを付け加えさせていただきます。)
このレビューは参考になりましたか?
29 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
自然界の現象はすべて「エネルギーを最小にする」とういう単純な原理に従っている。この物理の大法則を人類は研究してきたのだ。ガリレオの振り子、サイクロイド曲線。光は直進する、言い換えればA地点からB地点まで移動するエネルギーが「最小=最短距離である」ということなのである。この原理の解明にあのフェルマーの大定理で有名な数学者フェルマーとデカルトの支持者たちとの長い論争があった、この最小作用の研究が懸垂線の研究でオイラーの「変分法」を経て米国との宇宙開発で先行した時代のソ連の盲目の数学者ポントリヤーギンの「最適化理論」へと発展する。ニュートンの驚くべき天才ぶりが234頁にある弾丸の先端が平たい図で示されて未だ解決されていませんとのこと。
シャボン玉が丸いのは三次元空間で与えられた体積を囲む表面積が最小になるよう球状をしている。
量子化学の世界では電子が「エネルギーを最小にする」所へ落ち込んで物質は安定する。統計力学の世界でもランダムな活発な運動の高温状態からエントロピーが最小で絶対零度の暗黒宇宙の死を迎える。鳥やマグロが猛烈なスピードで獲物を追いかけるときの姿はまさに「最小作用の原理」が働いている。空気力学や流体力学などあらためて数学と物理学が不即不離の関係にあることを再認識しました。
本文には数式は全くでてきませんが、内容は著者の母が哲学者でその影響を感じさせますが数学と物理学の歴史そのものです。物理や数学を学ぶ人はぜひ一読の価値ありです。
物理や数学を学ぶ人はぜひ「宇宙の向こう側」横山 順一 竹内 薫が面白いので読んでください。
参考に「一般教養としての物理学入門」和田 純夫の66頁、ネットの [いろもの物理学者]前野昌弘のページの「最小作用の原理」は必見です。
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形式:単行本|Amazonが確認した購入
 ガリレオの宗教裁判が行われた17世紀は、気候の世界的な大寒冷化により、飢饉、疫病、戦争などの大混乱の時代だった。人々は、教会から徐々に心が離れていき、宗教改革や、宗教に代わる普遍的な真理と秩序を求めるようになった。そのような時代、科学が、教会の教義に代わって自然界を説明しようとした。科学はまだ宗教的な方法論から独立できず、実験哲学と呼ばれていたが、万有引力、加速度運動、天体運動などが単純な数式で表現できたことで、自然界を創造する新たな神を見つけたと感じたのだろう。本書の前半は、神にかわって、自然界が最小で最適な原理で営まれていると信じた科学者や数学者たちの格闘の歴史をエピソード豊富に描いている。最小作用の法則、解析力学、カオス。しかし、後半は、著者の専門を超えて、経済、政治、社会の分野で最適化の議論を行なっている。「温暖化」「経済破綻」「政治の混沌」「紛争」など、著者の歴史の断片的な知識や、社会に対する悲観的批判的な思考が随所に盛り込まれており、少々苦痛を感じながら読み終えた。
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