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同様の気持ちを持つ同志達に,朗報だ。条件付き確率の問題を乗り越えるために具体的な方法を示しているこの本は,「統計にだまされるな」という類書から抜きん出ている。この本はさらに,この概念が確率よりも効果的に人の頭に定着することを検証して見せている。
病気の人のうち検査結果が陽性となる確率(感度)は 100% ではなく,また,病気でない人の検査結果が陰性となる確率(特異度)も 0% でもない。この条件の下で,病気でない人の検査が陽性(偽陽性)と出たり,逆に病気の人が陰性(偽陰性)と出たりするリスクを検討せよ。
「条件付き確率を話して伝えることはそもそも困難」。この本の著者は,そのことを受け入れた上で「自然頻度」という処方箋を与えている。それによれば,このような確率の事象は自然頻度に換えて話すことで,問題がわかりやすくなる。
1000人のうち,病気でない人は○○人いる。そして,病気でない人のうち検査で実際に陰性になる人は(確率から言って)○○人。であるから,病気でもないのに誤って陽性と出てしまうのは余りの○○人。…こんな具合である。
著者が紹介する自然頻度は,確かに人の頭に「やさしい」。自信が持てるようになります。日本でもよく話題に上がるようになった乳ガンや前立腺ガンもこの本で登場する豊富な例の一部であり,本書に対する興味を湧かせてくれる。
本書の難点を挙げれば,「条件付き確率」の表現に数式を使う部分がところどころあることである(例えば「p(陽性|HIV感染)」)。翻訳である本書はさらに,このような数式を縦書きの中で垂直に書き表しており,読者に取っつきにくさを感じさせる懸念が残る。