透明感のある絵と文章であまりにさっさと進むので、立ち止まることもなく一気に読まされてしまう。だが、純粋というものの嫌味と凄みがあとにぽんと残されて、あどけない天使のようなヘンリーの姿が、紙一重で小悪魔にも感じられてくる。
実は1966年、ゴーリー自ら興した出版社からほかの本と2冊セットで500部限定出版された本書初版の著者名は、エドワード・ゴーリー(Edward Gorey)ではなく、アナグラムの別名ミセス・レジーラ・ダウディ(Mrs Regera Dowdy)だった。「ダウディ」には、流行おくれの野暮とか、だらしないの意味がある。やっぱりゴーリーらしい反語的物語。単純なストーリーとみせかけて、深い。(中村えつこ)
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現実に弱い者は救われない。現実を突きつける物語は大人の心に突き刺さります。子供の頃読んでた幸せな寓話から現実へ。説教臭さのない、淡々と最小限の表現で描かれているゴーリーの本は冷たさを感じないのは何故でしょう。
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