偏向歴史教育、学力低下、教育荒廃……。今日のわが国における教育の状況を憂えて、党派を超えた国会議員有志6名が、教育改革にいち早く着手して成果をあげた英国の現状を調査し、意見交換を行ってきた。
1979年、マーガレット・サッチャー氏が政権についた頃の英国は、子供の学力やモラル低下の問題で、親や産業界から「教育を変えてほしい」との悲鳴があがっていた。そこでサッチャー政権は、1988年に238条にも及ぶ教育改革法(教育基本法改正に相当)を成立させ、学力向上カリキュラムに基づいた全国共通試験を実施し、結果を公表。成績の悪い学校は責任追及し、親には学校選択権を与えた。さらに財務や管理権を学校に与え、親や地元産業界の人も加わる理事会で先生の給料や設備も決めるなど、消費者の声を入れることで、偏向歴史教育等を是正することにも成功している。日本がお手本とすべき教育正常化への道を、現地視察をもとに明らかにする。
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正に、陳勝・呉広の書である。
教育の現状を憂える本は汗牛充棟、枚挙に暇がない。
そして、くず本もあるが、多くの良書がある。
しかし、それらの書は、肯定するにしても、否定するにしても「戦後教育」を前提として書かれていることで共通している。
結果として、部分的に「戦後教育」の弊害を乗り越える道は示せても、「戦後教育」体制そのものを、根本から覆すだけの戦略がなかった。
肯定する立場からしても最初から思考の枠組みが限定されていることが明らかであるから、教育が崩壊していく現実に対して有効な戦略を提示することは出来て来なかった。
この書は違う。
「イギリス」という鑑を使ってはいるが、「戦後教育」=教育基本法体制の枠組みに囚われずに、教育崩壊を食い止め、かつ教育再生を成し遂げるための抜本的・具体的な戦略を提示している。具体的に即座に政策立案に移せるものばかりである。
教育基本法改正の論議は、ともすると観念的・抽象的になり、誹謗中傷合戦になり易い。事実なっている。
しかし、泥試合をしている暇が、もう残されていないという認識では、少なくとも改正を求める側では一致しているように思われる。
反対している勢力は、例外なく、戦後教育から利益を得てきた人々である。教育を喰いものにし、子供たちの未来を喰い散らかしてきた連中だ。
「子供を喰らう教師たち」という本を見て、その惨状に、涙が出た。振り返って、自分の中にも、教師に対する強烈で激しい憎しみが、ある。恩師と呼べるごく小数の先生方も居ないではないが、心の中はずたずたに引き裂かれているといっていい。
しかし、恨み辛みで、教育基本法改正に賛成しているわけではない。
現行教育基本法は、その根本において間違っているからだ。そして、抜本的な改革なくして、教育の再生は有り得ず、教育の再生なくして、日本という世界にただ一つしかない、この貴重な国が、存続することが、不可能であるからだ。
その意味で、この書は、「警醒の書」ではない。「救国の書」である。
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