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教育格差の真実~どこへ行くニッポン社会~ (小学館101新書)
 
 

教育格差の真実~どこへ行くニッポン社会~ (小学館101新書) [新書]

尾木 直樹 , 森永 卓郎
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容紹介

教育格差の要因、実態を究明し、真実を探る
教育格差を生んでいるもの、教育格差がもたらしているものはなにか、
強者と弱者はなぜ生まれたのか。空洞化するニッポンの現実を浮き彫りにし、
教育格差の真実をつまびらかにし、その先にあるこの国の将来を考える。

内容(「BOOK」データベースより)

「小泉構造改革は、何を日本に残したか。過労死も自殺者の数も、餓死する人の数も増加しているし、東京など大都市にスラムが出現する日はそう遠くないと僕は思う」(森永)。「学力格差が地域間格差に直接つながっていく。一番学力が低い学区が公表されているので、そこに住むことを避けるんです。その結果、それが地価にも響いて下がってくる」(尾木)。自然現象でも歴史的必然でもない“ニッポンの格差”の真実を二人の論客が経済と教育の両面から、明快に解き明かす。

登録情報

  • 新書: 208ページ
  • 出版社: 小学館 (2008/10/1)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4098250055
  • ISBN-13: 978-4098250059
  • 発売日: 2008/10/1
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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By ママモステ トップ1000レビュアー
形式:新書
森永さんがよりマクロに経済の面から、尾木さんが教育論者の立場からややマイクロに教育と経済の関連について語っています。

一番興味深かった質問は、「編集部」からの「お二人には、どうして弱者に対する視線があるのでしょうか」(29ページ)でした。正確には「弱者に(立場的には持たなくてもいい)関心があるのでしょうか」、という質問だと思うのですが、自分を弱者と見なせる、あるいは弱者とつながっていると思えるという自己認識は、実はとても社会問題を考えるうちで大事な事だと思いました。自分を弱者と認めたり、あるいはいつでも弱者になりうると認めるのはとても勇気があることだと思います。両氏によると、新自由主義とは、国家レベルでの経済による弱者いじめのように思えました。難しいところは、いじめられている人は苦痛に感じながらもいじめられていると認めないことも多いし、周りはその人を助けると自分がいじめられるのではないか、と思って助けない(助けられない)。いじめている方は、いじめていることを否定しながらいじめ続ける、という循環かと思います。セーフティネット(169ページ)とよく言われますが、これも極限状態に追い込まれた人(たとえば、餓死寸前に追いつめられた)にもったいぶって渡すアメのようなもの(栄養にならない)のような気がしました。ここで、尾木さんのおっしゃるような、おかしいことをおかしいと言える「脳力」が一般的に育っていれば訂正が入るんでしょうが、現状では難しいということもわかりました。

内容的にはお二人の他の著作にも出ているようなことなのですが、ささっと読めるのですでにお二人のファンの方々にはおすすめです。個人的には、森永さんの、ちょっとやそっとニュースや事件が起きてもブレない考え方に非常に好感を持っています。これからもおかしいことはおかしい、と言ってもらいたいです。
このレビューは参考になりましたか?
5 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
本のTitleと森永卓郎という名前に釣られて、殆ど内容も確認せず買った本ですが、そこそこ勉強にはなりました。
私にとって活字、特にこういった類の書籍に求めるものは、映画を観たり、音楽を聴いたりするのとは違って、新たな知識を身につける事です。
そういう意味では、学校教育の現状、経済格差(=所得格差)により教育格差が生まれ、そして広がりつつも、何も手を下さない国。
義務教育の段階で子供達の優劣を数値でもって測り、子供達の将来を決めてしまおうという考え方が罷り通っている現実。
これらを知っただけでもこの書籍を読んだ価値はあったかと。
読み進むに連れて『日本ってホンマニこれで良いのかいな』という思いが強くなります。
格差社会を取り上げた昨今の書籍を読むにつれ、全てにおいて日本という国に対する危機感は強まるばかりですが。

後半は2人の著者の考えが明らかにされるのですが、そこには社会民主主義というIdeologieを中心に据え、
"教育特定財源"や"やり直しのきく学びの保障"という方法論を唱えているのですが、私には非常に唐突な考えだなぁと思えました。
こんな極端な施策を取らずとも、私が義務教育を受けていた30数年前の世の中に戻れば、全て解決するような気がするのですが。

他の方のReviewにもあるように、あとがきでの森永さんのCommentが非常に印象的でした。
『現状を嘆いたり、人をうらやんだりしても何も始まらない。
幸せは毎日の積み重ねだ。今の環境のなかで、精一杯人生を楽しむ姿勢が何より大切なのだ』
このレビューは参考になりましたか?
6 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Moral Minority VINE™ メンバー
形式:新書
書名だけだと教育に関する格差問題だけの話かと勘違いするが実際は格差全般の問題を論じている。主に経済や労働の観点から格差を論じる森永氏に対して教育者である尾木氏がそれは教育的にはこうですね、学校にもこういう影響がありますねといった受け答えをするという形が多い。新自由主義がどのようなものであり、どう政策化され誰になぜ支持されたか、何をもたらしたか、何が問題か、どう対抗すべきかといった基礎的な知識が語られ復習もしくは勉強になると思われる。森永氏の反資本主義(反新自由主義)の経済学、尾木氏の反競争の教育学を平易な語り口で知る事には向いているだろう。

無難な書評はここまでで以下は批判。暇な人だけ読んでいただきたい。

尾木氏のことは全然よくは知らないが以前に宮台氏などと共著を出していた。リベラルな人なのかなと思っていたが後に安易なネット批判、モンスターペアレント批判もしているようと知り転向でもしたのかなと思っていたが、本書では社民主義へのシンパシーを示していたりとあくまで左派的であった。が、よく目を凝らすと所々に保守的な見解を潜ませている。例えばモラルの著しい低下をやたらと嘆いていたり、若者が自立心がなく批判精神もなく空気も読めない事を批判していたりだ。批判精神はともかくこれらの嘆き、若者叩きは保守派右派も容易に共有するもの、というより彼らの常套句であると思うがそれを尾木氏が共有しているのには驚く。「日本人の美しい心」なる発言まであるがこうした自分の保守性についての自覚はあるのだろうか。コミュ力、批判精神の欠如を批判するのは保守的とは言えないかもしれないが押し付けがましく非リベラルとは言える。こういった特徴はかつての共著者である宮台氏にも多少見られる。挙句KYという流行語に対する批判や反発ではなく、よりにもよってその逆の便乗、空気が読めない人を非難するなんて事を、このような弱者に優しげな書名の本で展開しているのは驚きである。

教育界にも競争原理主義と成果主義が徹底的に導入され学校間格差、地域間格差、教師格差、体力格差の四つが凄まじい勢いで広がっていると尾木氏は言う。ただ基本は私も社民寄り、反格差寄りではあるものの若干の格差への理解もあってしまっているので全面賛成とはいかない。(例えば先の四つの格差もとりあえずは最初の三つを認めるにしても四つはどうなのだろうと思う)例えば習熟度別能力別授業は左派系の教育書では絶対に批判され本書でもかなり盛んに否定されているが私はあれにも見るべきものや長所はあると思っている。これはエリート育成や効率や競争のためという観点からではなく、自分が無能な学生だった時、出来る人間と同じ教室で同じ授業と同じ基準で測られるのが非常に苦痛であったためだ。そういった苦痛やついていけなさを感じていた子供は多かった。それに対策しての習熟度別授業は著者らやその他の批判者が言うような悪意や競争心の煽り、デメリットだけで片付けるのは不当ではないかという思いが長らくある。本書は習熟度別授業をあまりに悪魔化しすぎており、欠点以外何も挙げようとしないのだ。

それに終わらず尾木氏はこれから体力格差が深刻な問題になるとも言っているがここまでくると私は一人の体力なき運動音痴として体力格差が広がって何が悪いと言いたくなる。こういう問題認識を簡単に受け入れてるとまた体育教育の強化だの、しごいてしごきまくる軍隊的な教育だのが肯定されてしまう羽目になる。実際その傾向は既にあるし、それはしばしば右派の人に支持されているのではないか。例えば自民党のマニフェストにも若者の根性を叩き直し体力をつけさせるための体育の強化は謳われている。それを尾木氏までもが自覚があってかなしにか支えてしまっているというのは注意に値する。

格差は常に程度問題だ。あまりに極端に否定すれば対極の絶対平等主義に至ってしまう。平等主義と言えば良心的だが、極端な次元に至ったそれは換言すれば画一主義だ。著者らがそれだとは言わないが、少なからずそれに寄っているからこそ、彼らが動機などにおいて良心的であるにも関わらず誰もが体力をつけなくてはならない、誰もが親から自立してなければならない誰もが大真面目に努力して働いてなければならない、誰もが同じモラルを持たねばならない誰もが批判精神を持たねばならない、誰もが空気を読めなくてはならないなどといった画一主義に無自覚にか囚われてしまうのではないか。
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