そもそも「学歴社会が招いた受験競争が生徒・児童を疲弊させ、教育問題を引き起こしている」という前提を疑うべきだと唱える。「暗記ばかりの詰め込み教育」「画一教育」という言葉とともに、その実態が十分に検証されることなく「罪悪」として国民的合意に至ってしまったのだと指摘。
それに代わって、国民が諸手を挙げて受け入れたのが「自ら学び、自ら考える力を育てる教育」などのキャッチフレーズに代表される教育改革論である。聞こえはいいが、その失策が招いた学力低下や現場の混乱は深刻だ。著者はその原因を文部科学省を中心とする改革論者の「読み」の誤りに求める。
新たな方策を見いだすためには、戦後日本の社会階層の変化、少子化、学校の役割の変化を子細に検証することが重要だとし、時代の推移に伴う学習時間の比較など独自のデータを示す。また、現代に適合する教育改革を全国均一かつ一斉に実施するには無理があるとも指摘。文科省には施策の分権化も視野に入れよと提言する。
(日経ビジネス 2002/02/11 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
登録情報
|
|
|
|