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教育再生の迷走
 
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教育再生の迷走 [単行本]

苅谷 剛彦
5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

教員採用試験での汚職、教員免許更新制の導入、小学校から始まる英語教育、全国学力調査の意味…政治に翻弄される教育。この国の教育は、いったいどこへ向かうのか。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

苅谷 剛彦
1955年東京生まれ。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了。ノースウエスタン大学大学院博士課程修了、Ph.D.(社会学)取得。東京大学大学院教育学研究科教授。2008年より、オックスフォード大学教授を兼任。専攻は教育社会学、比較社会学。データの精緻な検証により、教育や日本社会について、鋭く的確な発言をしつづけている。著書に『階層化日本と教育危機』(第一回大佛次郎論壇賞奨励賞受賞、有信堂高文社)、『教育の世紀』(第二十七回サントリー学芸賞受賞、弘文堂)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 単行本: 206ページ
  • 出版社: 筑摩書房 (2008/11)
  • ISBN-10: 4480863907
  • ISBN-13: 978-4480863904
  • 発売日: 2008/11
  • 商品の寸法: 19.2 x 13.4 x 2.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.8  レビューをすべて見る (4件のカスタマーレビュー)
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16 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By wh_cm
形式:単行本
 なんだか体調が悪いなあと思って、病院に行ってみたところ、出てきた医師に検査もされないまま、「こうすればよくなるから」と突然手術を勧められて同意する人はいるでしょうか?やっぱり検査をして、どこが悪いのか、何が原因なのかを特定して、それから施策を講じる医師にかかりたいと思う人が大半ではないでしょうか。

 教育に関しても、教育基本法改正など教育改革はずっと叫ばれたまま、さまざまな「改革」が学校現場に持ち込まれたり、持ち込まれようとしたりしていますが、それぞれの効果を測定しようとすることもなく、そして現状の正しい分析も行われないまま単純に現場の負担を増やしてしまい、結果的に生徒へのしわ寄せが行われるような(検査もなしでいきなり手術をするような)「改革」がまかりとおっています。こういった現状へ、実際に教育社会学者の第一人者として大規模な社会調査を行ってきた筆者による、安部内閣周辺の「改革」への鋭いつっこみが行われています。そして、首相が変わっていても、このつっこみの力が失われる事がなさそうな現状や、この筆者がオックスフォードに転出してしまった事への憂鬱な事態をまず見つめて、今ここの教育を考えるときに必読の一冊でしょう。
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12 人中、11人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 遊鬱 VINE™ メンバー
形式:単行本
教育再生会議において、教育非専門家から無根拠な妄想に基づき次から次へと涌いて来る言論をある種呆然と眺めていた人間にとって本書に収録されている筑摩Webで随時アップされた苅谷教授の実証的批判・冷静な論考は本当に救いでした。結局、教育再生会議はその勇ましい掛け声とは裏腹に大した改悪も成すことなく一応未だ名称を変えつつ存続しているので何ですが自滅に近い形で萎んでくれましたが、一時の熱狂的な教育再生を持て囃す風潮とそこで流れた言論はきちんとこの書とともに総括されるべきだろう。単に当時の論考が再録されているだけでなく、苅谷教授自ら「振り返る」と題して当時の言説を「今」という視点から再考と解説が付記されており非常に簡明なものとなっている。

「後世の教育史家が振り返ると、おそらくは教育と政治をめぐる問題が露呈した、教育への政治の介入が(ある意味、非常に稚拙で拙速なかたちで)行われた時代であったと特徴付けるのではないか。新自由主義や新保守主義といった政治の潮流が、教育を翻弄しようとした時代であったという評価も出てこよう。その同時代を、一人の教育社会学者がどのようにとらえ、何を考えたのか。「同じ轍」を踏まないための同時代の証言として、以下の論考をお読みいただければ幸いである」(はじめにより)

と書かれているように、マスコミや政治家あるいは教育を語る非専門家の教育不安言説に無根拠、非定量的に煽られぬように。どのようにしてその種の言説と向き合うかという格好の生きた教科書となるであろう。まさにここから「教育再生」は始まるのではないかと考える。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 清高
形式:単行本
1.内容
主に安倍晋三内閣の下での教育改革を批判した本。私なりのまとめは以下の通り。(1)安倍内閣下での教育改革は、データに基づかず、かつ政治的意図(先生攻撃、教育バウチャー導入など)に基づいた改革をしているので、真の問題の解決には程遠く、かつ、現場には徒労感の残る結果となっている。(2)学力テスト(実施の方法論も詳細に批判)を検討した結果、教育支出を増やすと学力がつきやすい結果が出ているので、教育予算をもっと増やすべきである。また、週休2日維持の上での授業時間増加を実効あるものにするには、教員を増やす(関連して予算を増やす)べきである(が、安倍内閣の下で教員の排除を目指したので、教員志望者が増えず、質の確保が懸念される)。このように、予算を増やすべきところを、理念を増やしたり教員を攻撃したりしている安倍内閣下の改革は問題が多い。
2.評価
1では主に安倍内閣下の教育評価をネガティブに書いたが、実際は、文部行政もエビデンスに基づいたものになりつつあり、また、再生会議のメンバーは一生懸命がんばっているということが書いてあるので、公平なように感じた。また、気づきにくいことが結構書かれているので(たとえば、日本では修得主義は無理、など)、教育を考える上で、有益である。個人的には穏やか過ぎる、展開に若干疑問がある、といった欠点があると感じるが、おおむね冷静かつ妥当な出来なので、星5つ。
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