なんだか体調が悪いなあと思って、病院に行ってみたところ、出てきた医師に検査もされないまま、「こうすればよくなるから」と突然手術を勧められて同意する人はいるでしょうか?やっぱり検査をして、どこが悪いのか、何が原因なのかを特定して、それから施策を講じる医師にかかりたいと思う人が大半ではないでしょうか。
教育に関しても、教育基本法改正など教育改革はずっと叫ばれたまま、さまざまな「改革」が学校現場に持ち込まれたり、持ち込まれようとしたりしていますが、それぞれの効果を測定しようとすることもなく、そして現状の正しい分析も行われないまま単純に現場の負担を増やしてしまい、結果的に生徒へのしわ寄せが行われるような(検査もなしでいきなり手術をするような)「改革」がまかりとおっています。こういった現状へ、実際に教育社会学者の第一人者として大規模な社会調査を行ってきた筆者による、安部内閣周辺の「改革」への鋭いつっこみが行われています。そして、首相が変わっていても、このつっこみの力が失われる事がなさそうな現状や、この筆者がオックスフォードに転出してしまった事への憂鬱な事態をまず見つめて、今ここの教育を考えるときに必読の一冊でしょう。