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教育不信と教育依存の時代
 
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教育不信と教育依存の時代 [単行本]

広田 照幸
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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教育不信と教育依存の時代 + 日本人のしつけは衰退したか (講談社現代新書 (1448))
合計価格: ¥ 2,331

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

メディアが垂れ流す教育の「危機」「荒廃」イメージに踊らされてはいけない。

内容(「MARC」データベースより)

メディアが垂れ流す教育の「危機」「荒廃」イメージに踊らされてはいけない。「危機」を煽る言説に振り回されずに「リアルで等身大の教育像」から出発し、慎重で知的な議論を尽くしてこれからの方向をさぐっていく。

登録情報

  • 単行本: 255ページ
  • 出版社: 紀伊國屋書店 (2005/03)
  • ISBN-10: 4314009802
  • ISBN-13: 978-4314009805
  • 発売日: 2005/03
  • 商品の寸法: 18.6 x 13 x 2.2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (6件のカスタマーレビュー)
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10 人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
 本書は「今の青少年は何をするかわからない」、「メディアやゲームは若者をだめにする」といったテレビなどでよく見かける教育言説に対し、「そんなことはない」と全編にわたって一貫した態度によって描かれています。しかし現在の教育を楽観視しているわけではなく、解決すべき問題もあるとして、いうなれば「教育に対するリテラシー」とでも呼ぶべきものの必要性を、現在の教育に対して批判的な論者に対して投げかけています。

 筆者が大学などで行った講演などに加筆・訂正を加え出版したものなので、文体も話し言葉調で、読みやすい。しかし、それだけに説得力の欠ける部分は多少なりとも目に付いた。こういった教育肯定論を述べてゆく場合、やはり統計などを利用しなければ、個人的な体験談では説得力不足は仕方ないでしょう。それだけデリケートな問題であり、表出しづらい問題であると捉えられなくもないですが、私はそう感じました。

 教育改革のもたらす良い面と、悪い面の両方に触れている点(当然といえば当然ですが、読んで初めて気付かされました)、学校の社会化機能と配分機能、子育てエージェント、地域教育の落とし穴(教師の専門性の喪失)、教育の限界などに触れた論考は、大変参考になり、様々な示唆を受け取る事が出来ました。

 本書と共に、同じ筆者の作品である『日本人のしつけは衰退したか』という本を参考にしながら読んでゆくと、更に深い見識が得られるような印象を私は受けました。見た目は厚いですが、それほど重量は無い点から考えて、上記のような点に興味がある方には一読の価値ありだと思います。

このレビューは参考になりましたか?
9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:単行本
「学力低下」や「少年犯罪」、あるいは不景気による閉塞感が背景に在るのか、子どもや学校に関わる出来事や現象が、「問題」として議論の俎上に上ることが多くなってきた。日常的な、学校内部の工夫に委ねられるものであっても、マスコミに取り上げられると、時にヒステリックな論調を招来する。「問題」解決への即効性が追求される中で、教育と文化の底が浅くなって来ているのかもしれない。
本書は、学校教育の現状と教育をめぐる社会のありようを、冷静に分析・整理・考察することで、学校批判・教師批判に短絡しやすい一般社会人と現場のルーティンに閉じこもりがちな教員の双方に対して、広い視界を提供してくれるようだ。
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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By ママモステ トップ1000レビュアー
形式:単行本
出版から5年後(2010年)に読みましたが、感銘を受けました。教育の現場とそれを取り巻く議論は、この本の出版当時からあまり変わっていません。今でも教育問題の語られ方についてすでに疑問を抱く方々、また疑問を抱いていない方、どちらにも一読をお勧めいたします。タイトルが示す通り、現在の「教育不信」と「教育依存」という矛盾がよくわかります。まず、この二つの理論的相反を認め、心ある、長期的な視野を持った専門家の話を聞いていく、というプロセスの必要性を改めて感じさせられます。

教育については、いろいろな人が一家言ある、というのが現状をさらに難しくしているかと思います。義務教育の小中学校と、実質義務教育の高校、そして大学と、ほぼ全員が学校というものに属して、学校経験があるからです。でも、実は長期的な視線、一個人以上の経験に基づくデータ、というものは、やはり現場で活動するプロ(つまり先生方)にしかわからないものなのではないでしょうか。教師の不祥事が日々のように報道されるのが実情ですが、広田氏のおっしゃる通り、「そんな一部の逸脱教員を基準にして、あれこれ要求されたら、まじめにやっているものはたまったものじゃない」です。本書内に出て来る、中学校での素朴な卒業間近の満足度のアンケートが示すように、こうしたまじめな人のおかげと、爆発するでもなく自己放棄するでもなくそれなりに賢明に行動している大部分の生徒によって、現状は成り立っているのではないでしょうか。

個人的には、氏の「何をどう勉強するかは自分が決める」から「もっともっと、きちんと指導してくれ」という傾向の変化は、アメリカにも当てはまると思います。私学は膨大に膨れ上がった授業料を正当化するために、また公立(州立)は、予算が乏しいために開いてしまった私学とのギャップを埋めるために、生徒をお客様扱いして、教員はすっかり労働者になっています。個人的には、経済不況の中で「言うだけなら金はかからない」とまでに、宣伝によって教育を商品化し、かつ経済不況を理由に教員職員の増加には取り組まないという傾向が危ないと思っています。つまり、「経済不況を生き残るには教育を受けるべきだ」と言っておいて「経済不況なのでその教育の整備にかける予算は無い」という二枚舌です。

また、日本では雇用、労働問題については自己責任の言説が幅をきかせていますが、なぜか教育については、広田氏の指摘する「教育万能論」のために教師主導であるべき、と言う考えがあるかと思います。つまり、学校生活の中では何か意に沿わないことがあれば教師や学校のせいにできて、就職活動の際にいきなり「これからは君の責任だよ」と言われる訳です。競争の原理や社会の厳しさを実体験以外で教えるのは難しいと思うのですが、このギャップはもっと認識されてもいいと思います。広田氏が提唱する通り、「教育は不完全なもの」という真実をあるがままに受け止め、それを完全なものにしようとするのではなく、各自がその認識からある種の対策を練る、建設的な自己責任を感じることでしょうか。前述の非教育専門家にして教育を語ろうとする方々は、特に「今の教育に欠けているのはこれだ」、極端には「自分は不完全な教育の被害者だ」のような発言傾向があると思います。会社経営と教育は昨今同じ文脈で語られることが多いですが、会社経営という分野から意見を取り入れるなら障害者雇用に長年取り組んでいらっしゃる、日本理化学工業の大山泰弘さんのような方の活動かと思います。広田氏の主張されている、社会のあちこちに平均的ではない、しかし充分に社会貢献できる市民を受け入れる準備を、ということにもつながる活動だと思います。

本著は、一ページごとに頷かされる名著でしたが、特に最後の著者のお子様へのメッセージで「『未来の自分』に向けて懸命に生きている(君たちへ)」という個所があって、とても共感しました。いつも「本当の自分」を主張することに固執して身動きが取れなくなっている人々が多い中、「未来の自分」を考えられるというのは素晴らしいことだと思いました。この視野があれば、現在の地味な努力や時間のかかる問題への取り組みが苦にならなくなるだけでなく、いろいろな決断をするのに優位に立てると思いました。直線的にアイデンティティをとらえることの利点を示していただいた感じです。
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