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教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書)
 
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教育と平等―大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書) [新書]

苅谷 剛彦
5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 882 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

戦後教育において「平等」はどのように考えられてきたのだろうか。本書が注目するのは、義務教育費の配分と日本的な平等主義のプロセスである。そのきわめて特異な背景には、戦前からの地方財政の逼迫と戦後の人口動態、アメリカから流入した「新教育」思想とが複雑に絡まり合っていた。セーフティネットとしての役割を維持してきたこの「戦後レジーム」がなぜ崩壊しつつあるのか、その原点を探る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

苅谷 剛彦
1955年(昭和30年)、東京に生まれる。東京大学大学院教育学研究科修士課程修了、ノースウェスタン大学大学院博士課程修了、Ph.D.(社会学)。放送教育開発センター助教授、東京大学大学院教育学研究科助教授、同大学院教授を経て、オックスフォード大学教授(2009年9月まで東京大学大学院教授を兼務)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 290ページ
  • 出版社: 中央公論新社 (2009/06)
  • ISBN-10: 4121020065
  • ISBN-13: 978-4121020062
  • 発売日: 2009/06
  • 商品の寸法: 17.2 x 11 x 1.6 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.3  レビューをすべて見る (7件のカスタマーレビュー)
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10 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By トップ1000レビュアー
形式:新書
学力テストは、教育の経済格差を明らかにしてくれた。このことは、
学力という「結果の平等」と教育の「機会の平等」という本来的役
割について広く知るいい機会になった。日本は、その昔、大正時代
から地方による教育格差を縮めるための政策を腐心してきた。学級
という面の平等を活用して、大義名分をつけてきた。学級の許容数
を決め、それ以上の数にならない限り、教師の数が増えない、数以
内であれば個々の子どもの質は問わない、貧しい理屈で教師を配当
している。
米国のように子ども一人増すごとに負担増による給与の増額する制
度とはほど遠い、なのに、教育内容だけ背伸びをし、ゆとり教育は
失敗に終わったと評価している。
日本においても、戦後まもなくは個の教育、つまり、子ども一人ひ
とりの教育を指向するのであるが、なにせ、地方にはお金はない教
師はいないなど条件が揃っていなかった。そしてここまで来た。
それなのに、義務教育の国の負担を2分の1から3分の1にした。
そのため、県によっては、3分の2の負担が苦しいため、文科省か
らの義務教育費の国庫負担を使い切らず、余すところが出てきた。
臨時などを使い、安い給料で働かすわけだが、任用の不安定な人的
配置では問題が出ない訳がない。
「平等」というキィワードから、日本の教育を紐解く、なかなか読
み応えのある良書である。
このレビューは参考になりましたか?
20 人中、14人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 遊鬱 VINE™ メンバー
形式:新書
「(教育)機会の平等」を実現するために、戦後、文部官僚は限られた教育資源(財政だけでなく、インフラそして教員も希少な限られた資源です)で地方間格差をどう埋めるかという困難に立ち向かった。もしも資源豊かであればアメリカのように、パーヘッド(生徒一人当たりの教育費)という個人単位で教育を組み立てられたが、現実の制限から、学級や学校、地域といった集団(これを「面の平等」と本書では呼んでいる)単位で教育問題に必死に取り組むことになった。国庫負担、教員の定数・配置、へき地振興法などといった諸制度を通じて、40年近くかけて「平等」をようやく実現した。教員一人当たり児童数(PT比)と児童生徒一人当たり教育費、財政力と児童生徒一人当たり教育費の相関関係が弱まっていく過程を通じてその論旨は完璧である。

皮肉なことは苦肉の策としての制度設計が、意図することなく累進的に働き「機会の平等」を実現しすぎ、「結果の平等」が実現されたとする誤謬を招いてしまったことだろう。こういったアンビバレンツの数々のなかで最大の皮肉と思われたのは地域間格差を把握し、下位者に手厚く対処するための「全国学力調査」がむしろ序列化を生むものとして機能した一面もあるということであろうか。

ただ、冷静に歴史を踏まえて現在の日本の公的教育を査定してみれば数々のアンビバレンツはあれど、十二分に批判に耐えるどころかその実現してきたものは賞賛されてしかるべき何かであるということがわかる。右にせよ、左にせよ教育改革を唱えるものは当著を読んで少しは頭を冷やしてもらいたい。
このレビューは参考になりましたか?
3 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 糸音 トップ500レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
戦後日本の教育の到達点である大衆教育社会。
その平等を旨とする教育のシステムがどのように出来上がってきたのかを教育行政、特に財政措置の側面から分析した書である。
どうしても思想や言説といった側面から捉えられがちなテーマを、実際に教育インフラを支える行政という視点から捉えたところが新鮮感を与える。

学校を建設するにも、教員を雇うにも、なにかにつけて教育にはお金がかかる。
その教育へのお金をどのように配分しているか、そこから教育と平等の問題を捉え直す。
そこから見えてきたのが「面の平等」としての教育の平等である。
優れているところにより予算を配分して伸ばすわけでもなく、劣っている分野に集中的に予算を配分するわけでもない。等量等質に画一的に標準化することが日本における教育の平等であった。

そしてその施策は一定程度成功する。
地方自治体の財政力による教育格差は解消され、都市と僻地の間の教育格差も解消された。
諸外国から日本の教育の平等性は広く注目されていた。
そんな教育施策を支えたのが学習指導要領と標準法である。
標準法がそこまで日本の教育の世界に大きな影響を与えたとは初めて知った次第である。学習指導要領による学習内容の標準化とともに、教育を推進する教員の標準化が伴って初めて「面の平等」が実現するのである。そして教員の標準化の最後の推進役は法律ではなく、地方自治体の人事施策であったところも興味深い。何もかも計算されて実現された平等ではなく、様々な方面の思惑が重なって実現された平等であるということを実感できたのが収穫であった。

記述に関しては内容は本格的だが、新書としては本格的すぎるという印象。
文体が生硬すぎてお世辞にもわかりやすいとは言えない。
ある程度教育行政についての知識がないと何について述べているかもわからないだろう。
そういった部分で星は少なめ。
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