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最も参考になったカスタマーレビュー
8 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
先進国における教育の衰退/教育版破壊的イノベーションの必要性とは?,
By 和泉 茂一 "シゲ" (山梨県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革する (ハードカバー)
「イノベーションのジレンマ」で有名なクリステンセンが,この理論を教育現場の現状に適合させ(教育を広義の変革すべき技術の一種と捉えて考察),特にコンピュータ導入を具体的な破壊的イノベーションと捉え議論している.コンピュータ教育は現在までにその潜在能力を成果として引き出せていないが,その原因は既存のシステムに無理やり合わせこんでいるが故と主張している.教育へのコンピュータ導入(オンライン・ユーザー・ネットワーク,モジュール方式の教育体制)の可能性は極めて高く,その破壊的イノベーションとしての潜在能力を引き出す本格的な成果は,新規の教育システムとして導入すること(無消費層への攪拌)が不可避であるということ(現状の教育システムと切り離した異なる視点からの発想が必要だと).実際,昨今の先進国(米国も,日本も)における教育がうまくいっていないことは事実であるから,変革の必要性は疑う余地がないということが現行の教育を再考すべきスタート点と言える.確かに,教育を受ける方にも個々の最適な受け方があり(one to one Business的発想),これを一律に一人の教師が多くの学生を教える(いわゆるマスプロ教育)には本来無理があったわけである.これをコンピュータを導入して(現状のままではなく,多様な生徒のニーズを個々に対応可能な新システムの構築ツールとして),個々の学生に最適化された教育を実践する方向に向かうとの主張は,教育版イノベーションのジレンマを形作る背景と言えなくはない.ただ,正直ピンとこないところはある.まずはコンピュータ教育が本当に教育版破壊的イノベーションになりうるか? である.教育はビジネス界とは異なるというか,人間形成の場に同じ発想を本当に適用できるのかの疑問,ちょっと違うんじゃないかな? とは感じた(ただ,可能性はあるとは思うが).それでも,教育の在り方について,これまでとはまったく異なる切り口(イノベーションという指標を用いたこと)で議論している斬新さは評価に値する.最後の解説(根来先生のコメント)にもあるように,現実理解の仕方,その発想の豊かさにこそクリステンセンの魅力があるのであろう.教育界に身を置く方は読まれるとそれなりに得るところは多いと思います.
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
Student-centric,
By ラリホー (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革する (ハードカバー)
我々ビジネスの環境では、社内教育も含めてPCを使わない日は、ほとんどない。まして、インターネットが爆発した90年代後半以降家庭でも、PCは日常のツールとして、色々なサービス環境を劇的に変化させている。一方、教育におけるIT技術の活用は、米国でも極めて保守的な状況に留まっているようだ。クリステンセン教授の破壊的イノベーションの理論を、教育環境に当てはめて、Student-centricな教育システムの採用を説いている。 ビジネス理論を丁寧に説明しているので、教育関係者にも読みやすいと思う。
2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
教育システムを題材としたイノベーション理論のケーススタディ,
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レビュー対象商品: 教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革する (ハードカバー)
本書は、クレイトン・クリステンセンが構築・提唱したイノベーション理論を、教育システム全体の変革を題材として適用したケーススタディです。イノベーションを学習する方々にとっては、教育システム全体(学校・教師・生徒・親というだけでなく教育委員会・教育研究者・行政にまで、学校教育だけでなく乳幼児教育にまで広げています)という大きな題材に対して、また企業とは異なる環境のものに対して、クリステンセンのイノベーション理論がどこまで通用するか、という濃い知見を得るには有益なものとなっています。 これまでも事例を紹介した書籍はあったのですが、一つの産業を題材としてイノベーション理論を適用したものはありませんでした。本書によってイノベーション理論の全体像や適用方法がより鮮明になると思います。 また実際にイノベーションを推進する際に必要となる新たな観点・解釈も紹介されています(イノベーションだけでなく通常のマネジメントでも有益です)ので、より実践的なものとなっています。『イノベーションへの解 実践編』と併せて読まれると、より理解が深まると思います。 教育改革のあり方について学習する方々にとっては、どのような切り口・アプローチで改革することが最も効果的か、ということについての新たな知見を得ることができると思います。 ゆとり教育をどうすべきか、習熟度別学習をどうすべきか、教員更新制度をどうすべきか、統一テストをどうすべきか、といった枝葉の議論に終始しているように見受けられる現在の教育改革の議論に対して、確実に一石を投じるものになっています。 また、教育のイノベーションに際して取り上げられた様々な事実・知見にも有益なものがあります。 生徒一人ひとりが異なる知能・学習スタイルを持っていること(ハワード・ガードナーの多重知能理論など)、生後36ヶ月までの親子の雑談が認知機能に決定的な差をつけること、といった心理学・神経科学の知見や、多くの教育研究の知見が記述的理解(現象を観察・調査して相関関係を見出すところまで)で留まっており、規範的理解(様々な状況を分類してそれらの因果関係を見出し予測可能性を確立するところまで)には全く至っていないこと、といった教育研究の実態、などです。 なお、本書の結論としては、破壊的イノベーションの第一弾としてITを駆使すること、それを現在の教育システムの補完としてではなく、現在満たされていない用途に対して適用すべきであること、というものです。 ただ、それらを教育の目的として本書で設定している「生徒一人ひとりの知能・学習スタイルに合わせた教育の提供」にまで持っていくためには、やはり既存の教育システムを破壊する必要があるということです。そして、教育システムのさまざまな関係者自体が自らを変革していく必要があるということです。 この辺りが市場における企業の破壊的イノベーションと異なるところでしょう。市場における企業においては、新たな企業が破壊を仕掛けることができ、競争の中でイノベーションが成功するのですが、教育システムでは新たな学校が自由に立ち上がることはありえず、かつ競争がないため、既存の教育関係者が自ら変革していくしかない、ということになります。学校を競争させることには様々な議論がありますが、競争がないことで持続的イノベーションが強化されることは間違いないでしょう。 この点が、市場における企業をベースとしたイノベーション理論の限界ということになるのかもしれません。 あと、監修者による解説は不要です。本書を読んだとは思えない表層的なものですので、かえって本書の価値を下げます。 また、翻訳も目立った箇所でミスがあります。大事な切り口を紹介する箇所での誤字は致命的ですので、これも本書の価値を下げます。
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