2009年4月から導入された教員免許更新制度。現職教員が約10年
ごとに受けることになるこの制度は、多忙化による惨状が叫ばれ
ている現職教員の少ない空き時間をぬって実費で参加している
のが現状である。「世界的に見ても極めてまれな」(p. 2)この
制度の是非はやはりこれからも議論すべきことであり、意義の
大きい本である。
本書の内容としては、教員免許更新制度の導入の背後にあった
もの、この制度の目的と対象や現行の研修制度との兼ね合い、
この制度で実際に行われていること、そしてこの制度の課題と
改善案などについて書かれている。
著者のスタンスは、もうすでに始まっているこの制度を、「教員
の資質向上」につなげるためにはどうすればいいのか、という
視点から書かれている。
そのため、この制度の是非を問うというものではなく、現状を見
据えた上で、問題点を考え、そのより良い在り方を問うたものに
なっている。
したがって、本書の最後では、教員免許制度を大学に加え、教員
研修に関するノウハウも蓄積もある各自治体の教育センターと
連携して行っていく必要性と、その具体案が述べられている。
まだスタートして間もないこの制度は、実証的にも精査、検討さ
れていくべきものであるのは間違いなく、本書のような本が今後
も出版され、広く議論されていくことを望みたい。