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77 人中、76人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
多角的に戦争を見つめ直した傑作中編集 !,
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レビュー対象商品: 敗走記 (講談社文庫 み 36-12) (文庫)
「敗走記」、「ダンピール海峡」、「レーモン河畔」、「KANDERE」、「ごきぶり」、「幽霊艦長」の六つの中編を収めた作品。水木先生の戦争体験に根差した作品で、戦争の悲惨さが精緻かつ迫力ある描画で映し出されている。
「敗走記」の舞台はニューブリテン島で、水木先生と戦友をモデルにした二人の兵卒の敗走の模様を描いたもの。戦死した友を悼む心情と、生き残った自分が戦争の語り部となるべき使命感がヒシヒシと伝わって来る。「戦争は人間を悪魔にする」とのメッセージが切ない。「ダンピール海峡」はニューブリテン島の西側の海峡。軍旗を守るために幽鬼と化した一兵卒の姿を描いて鬼気迫る。「レーモン河畔」の舞台もニューブリテン島で、ホセと言う一家の美人姉妹の数奇な運命を描いた作品。戦場下で、様々な意味で無傷のままで生き残った美人姉妹の姿を描いた美談と言えるが、兵士達にも善意が残っていた事実を記して置きたかったのであろう。これも実話に基づいている由で、姉妹の一人は(執筆当時)東京に住んでいたとの事。「KANDERE」の舞台はグリーン島。島の娘と結婚した兵卒の姿を通して、極限状況下における信頼感・同族関係、そして軍隊教育がもたらした思想の硬直性を扱った作品。ちなみに、「KANDERE」とは「仲間」の意で、水木先生の信条が窺える。「ごきぶり」は、戦犯として処刑された兵卒の一生を、母親が「ゴキブリの一生」と嘆息する様を描いたもの。「幽霊艦長」は、「白鯨」を思わせる艦長の闘いへの執念を描いたもの。 戦争の悲惨さを描きながらも、その中にある種の"温もり"を感じさせる水木先生らしい作品。「白い旗」程のストレートさは無い代わりに、多角的に戦争を見つめ直した傑作中編集。
28 人中、27人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
生還してこれを描いたこと,
By 海辺のフカフカ (東京) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 敗走記 (講談社文庫 み 36-12) (文庫)
水木しげるが生還して、これを描いて残してくれたことに感謝します。そして「ゲゲゲの女房」のおかげで新たな読者を得ていることを。この作品がこうして読み継がれていくことは、この愚行を二度と繰り返さないために重要なことだと思います。
それにしても、さりげなく描かれていますが、海中に5〜6時間も泳いでいるというただそれだけでも凄まじいこと。水木さんは何かに生かされているのかなあと思います。
23 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
内容的には「幽霊艦長」のほぼ再版,
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レビュー対象商品: 敗走記 (講談社文庫 み 36-12) (文庫)
1993年に出版された「幽霊艦長」(ちくま文庫)のほぼ焼き回し作品で、今回は「ごきぶり」が新たに追加されている。なおこの本と同時に出版された「白い旗」には「田中頼三」が載せてあり、「幽霊艦長」も田中頼三中将がモデルと思われるので、田中中将がもっと再評価されるようにとの著者の思い入れを感じる。
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