歴史上の戦争には常に勝者と敗者があり、英雄として称揚されることはなくとも敗戦処理に奔走した首脳達の実績に注目する、という非常に面白い視点の書籍という事で購入してみました。
読んでみての感想は
1.時代的にも地理的にも広い範囲の人物が取り上げられており、また良く調べてある。
2.文章は良くまとまっており読みやすい。
3.構成や文体が評論調である。項目を切り取って「歴史人物事典」等に転載しても違和感が無さそうな雰囲気。
4.3と関連するが、どの人物も政治上の功績・失敗が淡々と並べられた構成になっており、それぞれの人物の個性や、行動の背景にある心理や苦悩を殆ど感じ取ることができない。
というようなものでした。
★3つと低めにつけたのは、「列伝」というタイトルや、「パニックに陥る国民を宥める人徳とカリスマ性」などの帯の文章から期待したような、敗戦処理首脳たちの生々しい足跡を文章から殆ど感じ取れなかったことによります。
きちっとしていて読みやすく纏まっており、着眼点も興味深い物であるにもかかわらず、文章全体の無色透明さ、無機質さからくる退屈さのために、集中力を維持して読み続けるのに妙にエネルギーを消耗しました。
ややネガティブな感想を書き連ねましたが、出来の悪い本というわけではありません。さまざまな戦争の敗戦処理に関わった人物について一通りの情報を網羅しており、また各戦争も簡潔に概要をまとめてあるので、単純に知識を広めるという点については重宝する書籍です。
「敗戦処理首脳事典」としてならば★4つでしょうか。買って損をするということはありませんが、面白く読めるというわけではない本でした。