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敗北を抱きしめて 下 増補版―第二次大戦後の日本人
 
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敗北を抱きしめて 下 増補版―第二次大戦後の日本人 [単行本]

ジョン ダワー , John W. Dower , 三浦 陽一 , 高杉 忠明 , 田代 泰子
5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
価格: ¥ 2,835 通常配送無料 詳細
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

敗戦後日本人の苦難の歩みを描いて,日本中に感動を巻き起こした名著の写真増補版.旧版の2.5倍以上に増補された貴重な写真は,著者みずからによって本文といっそう緊密に組み合わされ,敗北を抱きしめて立ち上がった民衆の類まれな経験を語り尽くす.ヴィジュアル史料と文字史料が織り成す陰影深い戦後史像の誕生.

内容(「BOOK」データベースより)

敗北を抱きしめながら、日本の民衆が「上からの革命」に力強く呼応したとき、改革はすでに腐蝕し始めていた。身を寄せる天皇をかたく抱擁し、憲法を骨抜きにし、戦後民主改革の巻き戻しに道をつけて、占領軍は去った…新たに増補された多数の図版と本文があいまって、占領下の複雑な可能性に満ちた空間をヴィジュアルに蘇らせる新版。

登録情報

  • 単行本: 464ページ
  • 出版社: 岩波書店; 増補版 (2004/1/30)
  • ISBN-10: 4000244213
  • ISBN-13: 978-4000244213
  • 発売日: 2004/1/30
  • 商品の寸法: 21.2 x 15.6 x 2.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (10件のカスタマーレビュー)
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By dvrm トップ100レビュアー
形式:単行本
 下巻は第四部の六章分と、第五部の二章分、第六部の一章分、それにエピローグが収録されている。上巻が占領下の各階層の社会心理にフォーカスした性格が強いのに対し、下巻は占領下の統治の実態について具体的な経緯が多く語られている。

 特に強烈なのは第四部に収録されている部分で、天皇制民主主義(三章分)・憲法的民主主義(二章分)・検閲民主主義(一章分)とそれぞれ副題を付されていて、その記述に満たされている生々しい政治的駆け引き、騙し合い、脅し、密告、妥協、裏切り、偽善などの渦には読んでいくごとに圧倒されてしまう。よく、戦前・戦中・戦後の歴史を学校は教えようとしないことが言われるが、ここで読み取れる成り行きを辿っていくと、教育現場が教えようとしないことも、もっともだと思えてくる。白でなければ黒で、黒でもなければアカだろうといった考え方では十全に捉え切ることの出来ない現実が、ここからは読み取れる。著者はそんな事実を多く盛り込んだ上で著者なりの纏まりを与えようとしているが、そんな思惑を超えて、様々なことを考えさせてくれる著述になっている。

 果たして、ここに記録されている、相手にされたことだけでなく、日本人自らが主体的にした行動の数々を、先行する世代の人たちはどんな風に総括しようとしたのか? 総括したのか? どう伝えようとしたのか? 伝えたのか? 伝えようとしなかったのか? ここにある事実を、後続の世代にどう伝えればいいのか? 伝えることが出来るのか? 伝えていいのか? ためにする主張や批判ではなく、事実の集積を記録して後の世代が容易にアクセスできる形に纏めてくれたのは、本書の著者だった。この上下巻を通読した後では、日本の伝統、日本の精神、日本の風土、日本の風などという言葉たちに見受けられる自明性ははっきりと消え失せてしまう。「日本的」とはどんな内実を含むのか、今までにはない問が生まれてくる。ここでの占領の記録は、いまだに歴史になってはいないようだ。人口に膾炙され、受け止められて、十分な理解と消化・吸収をなされていないからだ。最近盛んに流布されている「白洲次郎神話」が矮小化しようとしている当時の社会の諸相が、ここには鮮度を保ったまま保存されている。ここでの内容が大多数の人々にとって常識の範疇に成り果てるまで、本書の鮮度は失われないだろう。逆に、「白洲次郎神話」を流布しようとするのはどんな立場の人なのかも、ここでの記述から理解できるだろう。是非、多くの人に読まれるべき著作だと思う。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By Fernald
形式:単行本
この下巻ではGHQの下で行われた民主主義改革がどのように展開していったか詳論されている。とりわけユニークなのが、その中での天皇の位置づけ、さらに天皇の動きそのものに焦点を当てている点だ。マッカーサーが早い段階から天皇制維持の意向だったことを今ではよく知られているが、昭和天皇と皇室自身も天皇制維持のために動いていたということは知らなかった。有名な天皇の人間宣言についても、本書を読み、同宣言がむしろ天皇制が戦前と変わらないものであることを強調した文書だったことを知り、驚いた。日本人は天皇の役割をタブー視しがち、あるいは過小評価しがちであるので、こういった外国人の天皇に関する鋭い指摘は非常に斬新に感じた。また、全般を通じて言えることであるが、筆者はシリアスなことをテーマに議論している時でもユーモアを忘れておらず、なかなか軽妙な文章になっている。

本書の最大のポイントは、戦後のいわゆる「日本モデル」の特徴は日本と米国の交配型モデルだったとしている点である。これは確かに興味深い議論である。例えば戦後の官僚が担った大きな役割は、戦前からあった官僚制がGHQのお墨付きを付与されたことで権威が強化されたことが背景になければ、存在しなかったであろう。しかし、「日本モデル」にGHQの血が流れていることは否定はしないが、それを強調するのは不適切だと個人的には考えている。ここには、日本研究を行う米国人学者のバイアスも多分に含まれているのではないか。
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鋭く多面的 2012/1/20
By
形式:単行本
 米軍にもフェラーズ准将のような日本好きもいたというところも読んでて面白いが、下巻で一番は渡辺清の反骨的な態度である。日本もアメリカも信用できない彼はほとんど発狂しそうになりつつ自分の道を探る。
 またアメリカの占領下検閲は帝国日本の弾圧よりはましとも言えたが、帝国日本では伏せ字がわかるのに対し、アメリカは検閲したかどうかわからないようにしたという。江藤淳も詳しく書いているようだ。
 また、歴史上のイフとして日本人自身による戦犯裁判の可能性にも言及している。
 軍部も一枚岩でなく、敵派閥を米軍に指摘した木戸幸一のようなのもいたし、反共思想でA級戦犯から外された皇道派の真崎甚三郎もいた。次第に冷戦の影があらわれ、東条は反共ゆえに時代の先端を行ったとも言える、とある。
 学問方面で、親鸞の思想を当時の懺悔に応用した田辺元もいた。
 筆者は日本人の残虐行為と無反省に手厳しい。もっとも、アメリカだってインディアンを殺戮して黒人の人権無視して長い間やってきたし、日本が平和なときベトナムやアフガンで戦争している。だがこの本は視点多く鋭く、実に読み応えがあるのは確かだ。
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