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「故障した脳」は、題名からの想像とは裏腹に、なかなかに骨太い内容であった。精神分裂病、躁鬱病を中心に、これまで「心の病」と誤解されてきた精神障害を、脳神経科学の最新の知見を基礎にして非常に明快に解説している。特に、フロイト学説の弊害を明確に述べている部分や、精神障害の近代的な診断基準であるDSM-3(現在のDSM-4の基礎になっている)の策定の経緯を解説している部分はエキサイティングでさえある。しっかりした科学的基礎と奥深い歴史的知見に裏付けられた科学的な書籍でありながら、不思議にも全篇に流れる著者の暖かいまなざしを感じさせた。
脳神経科学を志す学生には必読の書籍である。また、「心の病」であるという誤解をようやく払拭し、さて、ならばどのような病気であるのかと模索し始めた患者や家族にも正しい理解と希望を同時に与えうる稀有な良書である。
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