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故郷忘じがたく候 (文春文庫)
 
 

故郷忘じがたく候 (文春文庫) [文庫]

司馬 遼太郎
5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

出版社/著者からの内容紹介

鹿児島の片田舎で薩摩焼の名器を焼き続ける高麗貴族の末裔たち。彼らの数奇な運命と望郷の念とを詩情豊かに描いた表題作ほか二篇
--このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

内容(「BOOK」データベースより)

十六世紀末、朝鮮の役で薩摩軍により日本へ拉致された数十人の朝鮮の民があった。以来四百年、やみがたい望郷の念を抱きながら異国薩摩の地に生き続けた子孫たちの痛哭の詩「故郷忘じがたく候」。他、明治初年に少数で奥州に遠征した官軍の悲惨な結末を描く「斬殺」、細川ガラシャの薄幸の生涯「胡桃に酒」を収録。

登録情報

  • 文庫: 234ページ
  • 出版社: 文藝春秋; 新装版 (2004/10)
  • ISBN-10: 4167663147
  • ISBN-13: 978-4167663148
  • 発売日: 2004/10
  • 商品の寸法: 15 x 11 x 1.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.6  レビューをすべて見る (15件のカスタマーレビュー)
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30 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By 内田裕介 トップ500レビュアー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
書名になっている「故郷忘じがたく候」は、秀吉の朝鮮出兵時に日本につれて来られた朝鮮人一族の今を取材したエッセイ風の物語である。名を沈寿官氏といい、朝鮮伝来の作陶技術をもって薩摩藩に長く礼遇され、すでに14代を数える陶工の名家である。

日本にきて400年余り、すっかり日本人になって、誰よりも薩摩人らしい薩摩人といわれ、それでもなお、旧暦8月15日の満月の夜は、故郷の山々の方角に向かって、この村人たちは先祖に祈りをささげる、という。時を経てもなお、ふるさとへの想いは深く、年輪を幾重にも重ねて消えることはない。

両国の間には歴史的な不幸が何度もあり、そのたびに犠牲になった無辜の朝鮮の人たちがいた。秀吉当時の日本人がしたことに対して現代の我々日本人に罪はない。詫びる必要もない。しかし、同じ人間として彼らの気持ちを理解することはできるはずだ。

沈寿官氏が400年ぶりに里帰りしてソウル大学で講演をした。そのとき、韓国の学生が口をそろえて三十六年間の日本の圧政について語ることに疑義を呈し、そのとおりではあるが言いすぎることは後ろ向きである、新しい国家は前へ前へと進まなければならないというのにこの心情はどうであろう、といい、
「あなた方が三十六年をいうなら、私は三百七十年をいわねばならない」
と締めくくった。聴衆は拍手はしなかったが、韓国全土で愛唱されている青年歌の大合唱で答礼した。沈氏は目が涙でかすみ、動けなかったという。この光景に強く感動を覚える。

朝鮮半島の人々との間には、ずっとなにがしかのわだかまりがある。掌編ながらも、そのことに思いをいたすよいきっかけとなった。これは司馬作品の中でもぜひ読んでおくべき一編である。

ほかに、幕末の会津討伐前夜を描いた「斬殺」、戦国末期、細川忠興とその美貌の妻、ガラシャを描いた「胡桃に酒」の二編。いずれも短編ながら重厚な趣きである。
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4 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
運命に翻弄 2008/9/14
形式:文庫
表題作の「故郷忘じがたく候」は朝鮮の役で島津に連行された朝鮮人の陶芸職人沈寿官の一族の悲哀を、小説というより筆者の取材のような形で描いています。
話に出てくる14代沈寿官氏の写真を検索してみると、人の好さのにじみ出たご尊顔を拝む事が出来ます。
そもそも焼物の知識が全く無いのですが、こういった作品を通して歴史を踏まえて新しい事を知ることが出来たのはよい事だと思いました。

次の「惨殺」は戊辰戦争で奥州に遠征した官軍の参謀に任ぜられた長州のある人物の悲惨な結末を描いています。
奥羽越列藩同盟という言葉自体はしばしば聞きますが、この頃の、伊達政宗を祖に持つ仙台藩や上杉謙信を祖に持つ米沢藩といった往年の名藩の顛末を知らなかったのでそういう点で楽しめました。
もっとも、顛末とは言いましたが藩の最後までは語られず、主人公の死を最後にして短編は終了しています。

最後の「胡桃に酒」は細川ガラシャの輿入れからその一生の最期までを描いています。
戦国期を通してもガラシャとその夫、細川忠興はそれぞれ特異な性質を持つ人物として色々な話があって有名ですが、
「胡桃と酒」という食い合わせの悪さを自身の夫婦間の関係になぞらえてガラシャが叫ぶ場面は悲運な生活を送っている中にも、
その見事な最期からも窺えるように、日ごろから秘めていた悲壮な決意の顕れを目にしたような印象を受けました。
自身の子供を除いて、父や親類の尽くを処刑されてしまうなど、この人物に対しては「悲劇の女性」という言葉を用いても何ら脚色や遜色など無い女性と言えるのではないでしょうか。
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3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
細川ガラシア 2006/1/17
形式:文庫
3作がおさめられています。表題作が白眉ですが、他の作品「胡桃に酒」について。これは細川ガラシアの物語です。司馬さんのなかでも殊更にフィクション色の強い作品です。著者の初期の忍者小説のように生々しい表現と、読者をひきつけるテンポの良さがあります。

主人公は自殺するわけですが、「なぜ、彼女が死を選んだのか?」を軸に書かれており、最後の自殺シーンを描くために、伏線をこのような形ではっていたのか!と感心しました。
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投稿日: 18か月前 投稿者: オキムラ良二
涙が出ました。
良い本です。
篤姫の表現がかなり違うようです。それともNHKが違うのか?
投稿日: 21か月前 投稿者: Ken Oregon
標題作は重厚過ぎる位重厚な歴史を語る秀作
何よりも、標題作が素晴しい。
司馬氏は、恐らく当初は小説にするために取材を行ったように思います。... 続きを読む
投稿日: 2009/2/14 投稿者: Carouselambra
表題作はつまらない、だが他2作が秀逸
表題作は、著者の持って回った独特の臭気があって嫌い。もっと単刀直入に、歴史的事実に迫れば良いのに、なかばエセー的な書き振りがよくない。「惨殺」「胡桃に酒」は、秀逸... 続きを読む
投稿日: 2008/9/23 投稿者: 古本屋A
感動しました
戦国武将の話ではなく、明治維新の話でも
ありません。
島津家に連れてこられた朝鮮の陶工の子孫の
お話です。... 続きを読む
投稿日: 2008/6/15 投稿者: あにも
さすが司馬遼太郎
3つの短編が含まれる。

なかなか面白いですね。特に、標題になっている最初のもの。... 続きを読む
投稿日: 2007/1/3 投稿者: aquatio
薩摩焼の美しさの影で
司馬先生の大ファンとして当然読みました。

実は私は白薩摩が大好きです。高価ですから、たった一個の... 続きを読む
投稿日: 2006/6/22 投稿者: 蘇冬
血というのはうそだ
 秀吉の朝鮮の陣の際につれさられた貴族の一行の子孫の村

 その末裔の陶芸家と地区の話... 続きを読む
投稿日: 2006/4/16 投稿者: 佐藤さえ
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