初期3冊のティプトリー大好きです。本書は最初の作品集ですが、これが一番好きです。彼女(作者は女性です)の最高傑作群を収録しているのは、2冊目の「愛はさだめ、さだめは死」です(初めて読まれる方はそちらから)。でも作品集として通して読むには、「故郷から10000光年」の方がバランスが取れていて、楽しくて、気軽で、読みやすいので好きです。お気に入りは、テンポが良くてコミカルなデビュー作「セールスマンの誕生」。この系列をもっと書いて欲しかったなあ、と嘆きつつ、代わりに読むのはコニー・ウィリスかな。自分は実はスタートレックのエンタープライズ号からビーム転送で送り込まれた惑星調査員だと信じている青年の話、「ビームしておくれ、ふるさとへ」。SF読みならきっと共感できる作品です。第二短編集で頂点を極めるスタイリッシュでシリアスな作品「そして目覚めると、わたしはこの肌寒い丘にいた」。男性をまるで異星人のように異質なものに見せてしまうこの視点はショッキングです。そしてカッコいいです。