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故国喪失についての省察 2
 
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故国喪失についての省察 2 [単行本]

エドワード・W・サイード , 大橋洋一 , 近藤弘幸 , 和田唯 , 大貫隆史 , 貞廣真紀
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価格: ¥ 5,460 通常配送無料 詳細
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商品の説明

内容紹介

35年の批評実践を集成する評論集、待望の全2巻完結。出色の『白鯨』論、「ナショナリズム」論をはじめアドルノ、ルカーチ、グラムシ他を中心に論じて主著『オリエンタリズム』『文化と帝国主義』を明快に補完する。著者がみずからの知識人論を実践した軌跡をたどり、残された課題を確認する道標としても比類なき書。

内容(「BOOK」データベースより)

『オリエンタリズム』『文化と帝国主義』を補完する論文中心に、映画『ターザン』論、出色の『白鯨』論から論考『敗北とは何か』まで、多岐にわたる16編を収録。ポストコロニアル批評確立の源泉。

登録情報

  • 単行本: 440ページ
  • 出版社: みすず書房 (2009/6/26)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4622072041
  • ISBN-13: 978-4622072041
  • 発売日: 2009/6/26
  • 商品の寸法: 21.2 x 15.4 x 3 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.0  レビューをすべて見る (1 カスタマーレビュー)
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5つ星のうち 4.0 アクチュアルな問題意識の背後にあるサービス精神と誠実さ!, 2010/1/12
レビュー対象商品: 故国喪失についての省察 2 (単行本)
 映画「アルジェの戦い」の監督ジッロ・ポンテコルヴォのインタビュー的なエッセイをたまたま本屋で立ち読みし、そのごつごつした感じがやけに面白いと思ったのがこの本を読むきっかけだった。ページをぱらぱらめくっていたら、カイロのベリーダンスの女王や、ジョニー・ワイズミューラーのターザンについての章がありますます興味をそそられた。マフフーズ以降のエジプト現代文学についての報告も読まなければならないと思った。安くない本なので何度か迷ったあと購入した。いい買い物をしたと今では思っている。
論じられているテーマは多様だ。時流に乗った論争的なもの(サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」が「定義の衝突」に読み替えられる)も盛り込まれていて、サイードは、読者の退屈を恐れる天性のサービス精神を備えたもの書きだと思った。が、僕がもっとも心打たれたのは「敗北とは何か」だった。どんな社会も、とりわけ若い人にむかって成功だけに価値があるのではないと力説するが、敗北にどんな価値があるのか、ましてやたび重なる重大な敗北については押し黙る、といった考察をまじえながら、パレスチナにおける大義と敗北の紆余曲折を振り返り、個々人においても若い時の大義が年齢を重ね年老いていく中で変質し幻滅となっていく例をトーマス・ハーディー(シンドイとしか思えない作家)など西洋近代の小説をとりあげながら考察されていく。サイードの結論は、アドルノの文章からの引用で締められる。それは、きわめて西洋の思考の歴史にそった結語だ。・・・どんな敗北においても大義は、自立する人々の思考する営みを通じて必ず伝播するのだ、と。アドルノの語る希望に対して、サイードは、どこか自信なげである。そう思うと、生よりも死がありふれている時と場所はいくらでもあったではないか、と反論する気はなくなる。そういう豊かな沈黙を促すサイードの誠実さに僕は惹かれる。
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