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政治的なものの概念
 
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政治的なものの概念 [単行本]

C.シュミット , 田中 浩 , 原田 武雄
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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合計価格: ¥ 2,520

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登録情報

  • 単行本: 128ページ
  • 出版社: 未来社 (1970)
  • ISBN-10: 4624300122
  • ISBN-13: 978-4624300128
  • 発売日: 1970
  • 商品の寸法: 18 x 13 x 1 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
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25 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
この本を読むときには、法学者シュミットとナチスとの関係を、まずは忘れて、虚心坦懐に読んで欲しい。
あくまでも、自分の頭の中にある、この政治的価値を忘れ、価値中立になろう。

その上で、この本に描かれている、政治の本質……政治的関係とは「友敵関係」であり、政治とは闘争的なものであるということを改めて噛みしめて欲しい。

良く我々は、政治や行政に中立であることを求める。
しかし、本来、政治とは何であるか。
人々は、何らかの社会的な欲求を持っている…例えば、住環境を良くしたい、自分の属する企業と業界の利益を拡張したい、社会的弱者を助けたいなど。
言い換えればこれらは自分たちが実現したいという価値だ。
ところが、自分たちの実現したい価値をそれぞれ追求するところ、社会的な摩擦や対立が生まれる。
政治というのは、一定のシステムの中で、権威と権力を持って、価値の優先順位を着け、その価値の実現のために社会的なリソース(例えば税金=予算など)を配分する行為である。

このシステムは当然、価値中立であるはずがない。システムの中で力を持ったものが、自らの価値を優先的に実現しようとする。
それゆえに、政治も闘争的なものとなる。誰だって、自分の実現したい欲求を優先させたい。
だから他人を抑え込み、排除してでも、権力や権威を手にし、あるいは権力や権威におもね、それらを追求していく。

この本質は、デモクラシーであっても、独裁制であっても、自由主義であっても、社会主義であっても変わりはしない。
例え、民主主義であっても、警察をはじめとする物理的強制力(暴力)なくしては機能しえない。
権力・権威の執行がより暴力的なものか、より理性的なものかの違いに過ぎないのであって、
シュミットが看破しているごとくに政治とはことごとく闘争的な過程なのである。

自分たちの価値を優先しないものは必然的に敵となり、自分たちの価値を優先しようというものは必然的に味方となる。
本書は、この闘争的なプロセスである政治というものの本質を暴いた先駆的な著作であり、
現代人が教養として読んでおくべき一書なのだ。

だから、まず本書から「シュミットはナチのご用学者」という見えないレッテルを剥がせ。
読むのはそれからだ。
このレビューは参考になりましたか?
31 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
「ナチスの御用学者」であるカール・シュミットの著作の一つである。
例えば、AさんがBさんのものを盗んだとする。この行動を「法的」基準から評価すると、「合法」/「違法」という基準で分類することができる。即ち、Aさんの行動は「法的」に「違法」と言える。あるいは、この行動を「経済的」基準から評価すると「経済的(効率的)」/「非経済的(非効率的)」という基準で分類することができる。即ち、Aさんの行動はあるものが簡単に手に入るという意味で「効率的」である(窃盗防止のための余計な社会的コストを生じさせるという意味で、「非効率的」と言えるかもしれないが)。
では、「政治的」とはどういうことなのだろうか? シュミットは、本書で政治における重要な評価・分類の基準として「友」「敵」という概念を提唱する。即ち、上掲の出来事を「政治的」基準から評価すると、AさんはBさんのものを盗んだという意味で、Bさんの「敵」ということになるだろう。
「政治的」態度とは全てを「友」と「敵」に分類し、「友」以外の全ての「敵」を殲滅せんとする態度である。恒久的に「友」でも「敵」でもないものはあり得ない。自らの支持者候補を「血と大地」という繋がりで「友」に囲い込み、ユダヤ人を「敵」と名指しした、アドルフ・ヒトラーの態度は、まさしく「政治的」なものと理解できる。
毀誉褒貶あるも無視できない偉大な「保守思想家」カール・シュミット。本書は、現在本邦の書店で流通している訳書の中でも、比較的「読みやすい」部類に入る。初めてシュミットを読もうという方に、とりわけお勧めだ。
このレビューは参考になりましたか?
10 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 人の世にはさまざまな営みがあるなか、最も高尚そうに見えつつ、また同時に最も生臭く胡散臭さを感じさせるのが「政治」ではないでしょうか。この「政治」なるものの本質は何か、その核心をなす価値の捉え方は何に由来するのか、毀誉褒貶の尽きないドイツの超保守的政治思想家、カール・シュミットが考察を加えます。
 彼は、「政治」の根幹は友・敵の峻別と闘争であり、決定的な瞬間において敵の識別をし、覚悟を固めることにこそあると主張します。そして、闘争的な契機、しかも敵の文字通りの物理的なせん滅を本源的に志向し得る実体こそが政治的な団体であり、こうした意味において、主権国家は他のあらゆる社会団体・社会組織と本質を異にすると説きます。その上、国際社会における普遍主義や、経済的自由主義に基づく自由主義的国家論等については、本質的には政治的とはいえない反面、それらが実際に主張される場面においては色濃い政治性を帯びざるを得ないとしています。同じコンテクストから、ついでに国際連盟やヴェルサイユ体制批判も加えています。
 うーん、何か凄いですね。ホッブスやヘーゲルあたりが言っていることを、ちょっと捻って煎じ詰めたような塩梅でしょうか。
 抽象的な記述が大部分であり、読みこなすためには相当の政治学的・思想史的素養が要求されるようです。小生なんかには正直言ってチョット手に余るところがありますが、直感的には、シュミットの言うところは何故だかもっともな気がしています。小生自身が抱く「政治」のイメージが投射されてしまっているのでしょうか。だからと言って、別にシュミットを崇拝しているわけではありませんので、念のため。
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