元衆議院議員で、前横浜市長でもある、中田宏氏が昨年出版し、利権の構造と、身をもって経験されたスキャンダルの作られ方を綿密に描いた、話題の書。
スキャンダルがいかに作られるのか、またスキャンダルが全て作り話だと証明されてもいかに意味が無いか(著者は裁判では完全勝利したが、既に悪いイメージが付き、ネットにも罵詈雑言が溢れている)、に関しては、本人の経験だけに、かなりの臨場感がある。結果として裁判で負けなかったが、実質的にには「冤罪」になったも同然。
また、スキャンダルの捏造を公然と手伝う議員がいること(しかも罰せられない)、裏付け無しに報道しても罰を受けないマスコミには、怒りを覚える。また、普通の会社では考えられない、上司に「死ね」というメールを実名で送りつける公務員の存在や、徒歩手当や特殊勤務手当を始めとする地方公務員の厚遇は、驚愕に値する。
ただ一方で、中田前横浜市長の周りにいた方で、決して彼を良く言わない知り合いがいるのも事実。多分、実際に横浜市の財政健全化等をした等、「ビジネスパーソン」として彼の実力は確かなのかもしれないが、本人も「あとがき」で述べているが、「人徳による説得に欠けた」のが、彼がその実力にも関わらず主流の政治家になりきれない要因なのかもしれない。人徳の大切さは、普通の会社のマネジメントにも当てはまるが。
というわけで、政治や利権、日本(地方)の財政健全化等に興味がある方は、著者の言葉を100%信ずるかどうかはともかく、読む価値あり。ちなみに、本の概要は以下のサイトでも読む事ができる。