- 英米の二大政党制に関する関する考察はよく整理されているが、多党制に関する記述が著しく少ない。
二大政党制を理想とする前に、多党制との理念レベル・現実レベルでの比較考察が欲しかった。
欧州においては実は多党制の国が多くを占めるのが現実である。
これらへの考察は政権交代後の更にその先の日本の政治の展望を考える上で示唆に富むはずである。
- 政権交代、その先は??
自民党一党支配による種々の弊害は非常によく整理されているが、政権交代後の日本の政治のあり方の展望に関する記述が貧弱であった。
民主党の政権担当能力等以上に、政権交代後にも二大政党制は果たして健全な形で機能しうるのかにももう少し目を向けて欲しかった。
イギリスでは伝統的に続いてきた二大政党制が機能不全を来たしており、民主政治そのものの危機にまで至ろうとしている。
日本では民主党が政権交代を果たしてからまだ1年も経過していないが、二大政党制は既に機能不全の様相を呈してはいないか。
本書では全体を通じて政権交代自体を目的化しているような印象すら受け、個人的にはそれに大きな違和感を覚えた。