民主党の理論的支柱として活動されてきた、筆者が現状をどう見どのような展望を持たれているのか興味をもって一気に読了しました。本書の中で、筆者自身、『民主党を軸とした政権交代が日本を救うと主張してきた自分はリフォーム詐欺の片棒を担いだようで肩身が狭い』(p19)と書かれている程の入れ込みようだったのですから。出来るだけ、客観的に民主党政治の功罪を書かれており、納得する部分も多々ありました。しかし、如何せん、政治は結果責任ということが感じられません。成功例としてNPOへの寄付税制の創設(p110)、生活保護と障害者政策の充実(p119-)などが挙がられているものの、外交を含むマクロ問題は、ことごとく失敗。マニフェストも暗礁。国家統治への未熟さが露呈した政権交代でした。 今後の課題が『民主主義へのシニシズムを超えて』との最終章に書かれていますが、民主党固有の問題を超普遍化して問題を拡散させているようでまとまりのないもののように見えます。しかし、民主党左派、あるいは市民社会派のもっとも知的な論客の現時点での考え方を知る上で、また、現代日本の政治を理解する上でまたとない好著と思いました。