ロングセラーとなった「貧困大国アメリカ」で、日本のマスコミがずっと書かなかった米国の暗部を日本に伝えた著者が、また重要なレポートを出した。今回は、アメリカ一国だけでなく中東やアフリカ、アジア、南米という広範囲に渡る事例をカバーし、それらの地域をのみこむひとつの「価値観」について分析している。
知らなかった事が沢山詰まっていて、読みながら「なるほどそういうことだったのか」と思わされたのだが、何よりも今世界で起きているさまざまな事への新しい視点を教えられた。
NATO軍の爆撃は実は自分も納得がいかなかったが、その背景がよく理解できた。シリアやイラン、リビアについての西側の報道が一方的である事に違和感を感じていたが、著者は「違和感を感じたらさまざまな報道を比較する」「映像だけで判断せず現場の声を聞く」重要性を説いている。CNNやニューヨークタイムスを見て国際メディアを知った気になっていた自分を少し反省した。これからは多角的に情報を入れていこうと思う。
アルゼンチンの例は素晴らしいエピソードで、理不尽な力に対して闘ってゆくことへの勇気をもらった。良書。