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政党政治と天皇  日本の歴史22 (講談社学術文庫)
 
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政党政治と天皇  日本の歴史22 (講談社学術文庫) [文庫]

伊藤 之雄
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

天皇の政治関与は政治に何をもたらしたか?昭和天皇はなぜ田中義一首相を問責したか。東アジアの国際環境の中で変容する君主制。明治天皇の死から五・一五事件による政党政治の崩壊まで斬新な視点で描く。

内容(「BOOK」データベースより)

張作霖爆殺事件後、昭和天皇はなぜ田中義一首相を問責したか―。東アジアをめぐる国際環境のうねりのなか、変容していく近代日本の君主制。「天皇の政治関与」の理想と危うさとは。のびやかな大正時代が閉塞の昭和を迎える過程で、庶民は何を感じ、どう行動したか。明治天皇崩御から五・一五事件による政党政治の崩壊までを、斬新な視角で活写する。

登録情報

  • 文庫: 416ページ
  • 出版社: 講談社 (2010/4/12)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4062919222
  • ISBN-13: 978-4062919227
  • 発売日: 2010/4/12
  • 商品の寸法: 14.8 x 10.8 x 2 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (2件のカスタマーレビュー)
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By ふぁんどり VINE™ メンバー
形式:文庫|Amazonが確認した購入
 もとはハードカヴァーで出版されていた、全26巻の講談社版〈日本の歴史〉が文庫化されたうちの一冊。原著の刊行は2002年。
 明治憲法の下で立憲君主制の道を歩んでいたわが国において、なぜ政党政治は崩壊してしまったのか。著者はこの問題を「天皇の政治関与」という視点から考察しています。
 「大帝」とも称される明治天皇は、イメージされるような専制君主ではなく、その役割は内閣の意向と議会の輿論を尊重し、必要なときに最小限度の調停を行うことであったと著者は述べています。
 しかし、明治帝の没後、健康に問題のあった大正天皇はその役割を果たせず、若くして父大正帝の摂政となった昭和天皇も、明治帝の政治手腕を学ぶことができなかったといいます。加えて、先帝の側近も、最後の元老・西園寺公望を除いては明治帝の実際の憲法運用に疎く、「親政する君主」という理想の、そして架空の明治帝のイメージに支配されていたとしています。その象徴的な出来事として、著者は張作霖爆殺事件において天皇が首相(政友会の田中義一)を問責し、内閣総辞職に追い込んだ1926年6月の政変を取り上げています。
 著者も触れていたいくつかのif。もし原敬が暗殺されなかったら、もし先帝がロンドン条約批准の際に浜口内閣と海軍を調停していたら、もし満州事変の際に先帝と西園寺らの宮中重臣が若槻内閣を見捨てず政党を団結させていたら。そして、もし日本にもう少し時間があったのなら、立憲君主制は成熟しただろうか。この本を読み、私はいろいろと思いを巡らせることができました。
 近代日本の政治状況は、現在のそれと似たところも多く、参考になります。本書を読み、抱く思いは人それぞれでしょうが、是非デモクラシーの確立と維持に汗を流した先人の労苦を思い、大切な我々の権利と義務を尊ぶべきではないかと私は思うのです。
このレビューは参考になりましたか?
4 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:文庫
本書は日本における政党政治を、天皇と内大臣や侍従、元老、そして軍部とのかかわりを中心にえがいている。

バランス感覚にすぐれ、たびたび、調停者としての役割を果たした明治天皇や、カリスマ性と政治力にすぐれた元老たちから、憲法運用の手法や実際の天皇のあり方について、昭和天皇は学ぶことができなかった。は明治天皇崩御のとき昭和天皇は幼かったし、父の大正天皇は病弱であったからだ。

明治天皇が行わなかった首相への問責などを行った事は、昭和天皇は公平な調停者としての能力を失い、天皇の権威を傷つけ、軍部のコントロールを困難にしていった。

著者は政党政治や立憲君主制を、日本は「わずか五十年ほどでイギリスに類似した程度まで形成した」(p175)と述べる。この点が最も、本書でもっとも斬新な点だと思う。

著者はイギリスと日本の近代君主制の実態が大きく異なるとされているのは、日本内外の日本史、西洋史研究者の理解不足に起因しているとする。
近代イギリスの君主が一般に考えられている以上に政治関与しているのに対し、明治天皇は一般に考えられている以上に政治関与していないと述べる。

明治と対比することで、なぜ、軍部のコントロールが困難になっていったのかが、解るようになっている。

おもしろかった。
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