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52 人中、48人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
放送禁止歌など、どこにもなかった,
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レビュー対象商品: 放送禁止歌 (知恵の森文庫) (文庫)
「東京番外地」で著者の森達也氏を知り、本書にも興味を持った。本書はテレビディレクターである森氏が 1999年に制作、放映したテレビドキュメンタリー「放送禁止歌」の取材過程を つづったものである。 当初のテーマは、特定の歌謡曲を放送禁止処分にする「権力」を追う、というものだったが、 取材が進むうち、そんな「権力」はおろか「放送禁止歌」すらも存在しないことがわかる。 ではなぜ、放送されない歌、発売されない歌があるのか。 それはメディア自身の過剰な自主規制が原因であった。 放送禁止歌は「お上」や「圧力団体」ではなく、 メディア側の人間(=森氏自身)が自ら生み出したものであった。 表現の自由は思考の自由と等価であり、絶対に守られるべきものである。 しかし、差別用語やわいせつな性的表現、暴力シーンなど、 ある種の表現が相手を不快にさせたり、尊厳を冒涜したり、名誉を傷つけることもある。 だからこそ、批判やクレームを引き受ける覚悟なしに、本来、自由な表現はありえない。 メディアは、そうした批判やクレームを引き受ける覚悟もなく、 トラブルを避けたい一心で、放送禁止歌を生み出してしまった。 そしてそれとひきかえに、表現の自由、思想の自由という、 メディアにとってもっとも重要なものを放棄してしまった。 これが、森氏のメディア批判、自己批判である。 なかなかに骨の太い本である。 残念ながら筆者は映像は未見だが機会があればぜひ見てみたい。
32 人中、30人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
規制するのは誰?,
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レビュー対象商品: 放送禁止歌 (単行本)
以前、「放送禁止歌」と題したドキュメント番組が放送された。「放送禁止歌」を他ならぬTVで「放送」するという試みに惹かれて、深夜の放送にもかかわらずチャンネルを合わせたのだが、TV界の「規制」に対する真摯な問いかけが非常に印象的だった。そしてこの番組が本になったと聞き、早速購入した。それが本書である。本書では、番組では語り尽くせなかった内容を、より深く掘り下げている。歌を「規制」するものの正体、そして規制された「歌」の本当の姿が描き出されている。TVを見た人にとってだけでなく、独立した書物として読んでも非常に興味深い。メディアに関わるすべての人が、すなわちメディアから情報を受け取る私たちも含めて、「差別」や「規制」について考えるにあたって、読む価値の!ある本だ。
40 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
興味深い論考で、労作だと思いました。,
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レビュー対象商品: 放送禁止歌 (知恵の森文庫) (文庫)
筆者の森達也さんは、テレビのドキュメンタリー番組のディレクターです。1999年11月6日の深夜に放送されたフジテレビの「『放送禁止歌』〜歌っているのは誰?規制しているのは誰?〜」という番組製作の過程で知り得たことに加えて、いろいろな取材を通して知り得た情報をこの『放送禁止歌』というタイトルの本にまとめました。 当方は筆者の2歳上ですので、その問題意識や時代感覚は共有しています。 自分自身の青春時代を振り返りながら、1970年代にあれだけ支持された岡林信康の「手紙」や赤い鳥の「竹田の子守唄」が何故放送禁止になっていったのかを知りたいと思うのは当然です。 そのあたりの経緯に付きましては、藤田正著の『竹田の子守唄―名曲に隠された真実』に詳しく記されていますので、併せてお読みください。 この『放送禁止歌』の取材の過程で、「規制の事実」というものは、放送局内の者たちが状況を理解しないまま、それらの作品を「タブー」扱いしたことから端を発したことを知りえましたし、メディアの世界のいい加減さに呆れもしました。 なお、本書に収録された「放送禁止歌」の作品の数々に久しぶりに再会できたのはうれしかったですね。註釈も詳しく、フォーク世代にとってそれらの作品は青春の思い出とオーバーラップします。 1970年代に青春時代を送った方々には是非オススメしたい著作だと思います。
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