現時点ではレビューが上がっていないくらいですから、それほど評判にはなっていない、のかも知れませんが、本書は、この後、おそらく主に教育界で話題になると思います。
で、そうなる前にこういうことを書いておきます。
よく、子供と接する時に「子供目線で」等という人がいますが、私、この言葉を聞いただけで「ああ、この人何もわかってないなあ」と思ってしまうのですね。どういうことかと言うと、「子供目線」って、要は「上位に立った自分(つまり大人)が下位(あるいは弱者、と言ってもいいのかな)の目線に下げて物を見る」という姿勢な訳で、それ自体が傲慢だということです。
確かに子供は、良きにつけ悪きにつけ「ストレート」で、素直でもあり、同時に、ひねくれると、本当にそのままひねくれ続けていきます。語彙も足りないから、自分の気持ちをきちんと表す表現力にも長けていないのは事実です。でも、だからといって、同じ人間ですから、感じている気持ち、そのものに上下はない、でしょう。
人間、誰もが子供であった経験はあります。ですが、他者と完全に共感するのが大人でさえ不可能な以上、いくら自らの経験を元に「子供目線」とかに立ったとしても、子供本人の気持ちを理解し、共感するのは不可能でしょう。
ですから、そこを補うのは「想像力」しかない、と私は思います。例えば、骨折経験がない人は、松葉杖を付いている人の苦しみを、自分中の近い体験(そうですね、足首ひねったことがある、とか、もっと軽く、だったら、自分が腹痛起こした時の痛み、とか)を元に「私が本人だったら、どういう気持ちで、何を私にして欲しいんだろう?」と想像力を最大限に働かせる、そこにしか他者を理解する道はない、と思います。
そう言う意味で本書は、おそらくは前述した通り、学校現場、とか、お子さんを持つ家庭では話題になるかもしれませんが、もっと深いところで「他者を理解し、共感するとはどういうことか」と言うことを実感できるために、是非、「あらゆる」方にお勧めしたいです。
部下の掌握が難しい、等と悩んでいる管理職の皆さん。数多の、「こうすれば...」的な新書やベストセラーのハウツー本買うんだったら、まず、本書を買ってみてはいかがですか?子供でさえ、これほど複雑な思いを抱えているんだ、と目から鱗、だと思いますよ。
是非。お勧めします。