第12回スニーカー大賞受賞作「放課後の魔術師」シリーズ、第3巻。
物語を彩るキャラクター紹介が終わり、やっと本来のストーリーが始まった。
そんな印象を与える一冊でした。
前巻の最後で、謎めいた組織としての姿を見せ始めた「完結した円環」。
今回は、その「完結した円環」に査問と称して主人公達がジェシカシステムと
共に招聘されるところから話が始まります。
……と、ここまでしか内容については語れない。ネタバレになってしまうので。
それくらいなまでに、多彩なアイディアと、ストーリー上の仕掛けが一杯の
豪華なエピソードに仕上がっています。
メイン級のキャラクターは、敵味方を問わず、更に掘り下げが深くなっていて、
それでいて説明くさくなっていない。
魔術バトルも、更に激しくなっていながらも、単に力をぶつけ合うだけではなく、
力をどう使うか、という頭脳バトルの様相を示していて、熱いです。
展開も二転三転し、読んでいて興奮します。
じゃあ、何故評価が★★★★★じゃないの?
それは、盛り込まれたアイディアに比して、あまりにも少ないページ数ゆえ、です。
倍くらいのページであれば、十二分に味わい尽くせたであろう”仕掛け”ですが、
270ページでは、あまりに少ない。せめて、倍のページ数は欲しい。
そう思わせるくらいの面白さが詰まったものになっています。
なんと、もったいない!
ですので、★をひとつマイナスさせていただきました。
しかし、新人のデビュー作、と言って差し支えない作品で、これだけの面白さが
詰まっている、というのは、活字中毒者としてはとても嬉しい事です。
今後、経験を深めていってくれればどれほどまでに楽しい作品を読ませてくれるのか。
今からとても楽しみな自分がいます。