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尾道までの父母につれられて渡り歩いた生活を第一の放浪とするなら、以後は芙美子ひとりの孤独な第二の放浪といえるだろう。それは第一の生活の放浪とちがって、精神の放浪であった。そして、そこから出世作『放浪記』を書いて、文学者として自立していくのである。
放浪記をはじめ自伝的小説が多い。しかし、それには虚構もあるし、不明確な、あるいはかくされた部分が多い。芙美子を扱った評伝、小説も少なくない。そのなかで実伝をうかがうのには平林たい子の評伝、『林芙美子』が最もすぐれ、いまのところ一番信頼できる文献だと思う。
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