核実験による放射能汚染で巨大化した蟻がアメリカを襲う昆虫怪獣パニック映画。壊れた人形を抱いた少女がひとり無表情で荒野を彷徨する異常な場面から始まる本作…つかみはOKなモンスター映画の始まりです。正体不明の怪物を巡るサスペンスを中心に盛り上がりまくりの前半30分。冒頭の放心状態の少女が覚醒して叫ぶTHEM!THEM!THEM !(奴らよ!奴ら!奴らよ!)…と本作のタイトルを連呼。まったくカッチョイイ展開です。THEMとかITとかThe Thingとかアメリカ人は忌むべき存在を間接的な呼称で表現しますよね。日本なら対策本部に侵入してきた悪ガキが蟻に似てるからアリゴン!!とか言って暴力的に命名しちゃうのですが。市民に真実を伏せて秘密裏に事態を処理しようと奮闘するFBI捜査官やマシンガンや火炎放射器をぶっぱなす田舎の警察官が大活躍するというリアル志向なのかマンガ的なのか…低年齢対象的な作劇が微妙なのですが…それでもエンターテイメント映画として前半と後半にそれぞれにクライマックスがある充実した構成です。本作がスピルバーグのジョーズや本多猪四郎の空の大怪獣ラドンやジェイムス・キャメロンのエイリアン2に強い影響を与えた事なんて実際どんなに鈍感な人でも観れば判るという優れたモンスター映画のルーツのような存在。怪獣映画ファン以外にもお勧めできる極上の怪獣映画です。