どの原発専門家よりも小出氏の見解がいちばん信頼できると、本書を購入した。
チェルノブイリほど8千キロも離れた地域で起こった原発事故でさえ、水、牛乳、母乳、玄米などに影響が出ていたということを考えると、福島第一原発での事故がどれだけ今後影響が出てくるかと思うとぞっとする。本書が、チェルノブイリ事故から数年経ってさまざまなデータが出た後に検証し書かれているということは、福島第一原発事故も本当のことが分かるのは3年後、5年後、10年後なのかもしれない。
何よりこの本を読んだ後に痛感したことは、19年も前にこれだけ小出氏が警告を鳴らしているにもかかわらず、何一つチェルノブイリから日本が学んでいなかったことだ。北欧やドイツなど多くの被害を受けた国が原発に変わるエネルギーを模索したのに対して日本はそのことを封印したということだ。
今なおこれだけ莫大な被害があってもまだ原発を守ろうとする人たちがいて本当の情報が開示されていない。
情報が自由に伝わってこない恐ろしさを改めて感じざるを得ない。
本でしか得られない情報があるからこそ、本書を読んで自分の頭で考えるということをしたい。
それにしても、40年も反原発を原発の現場から訴え続けている小出氏は本当にすごい。原発の問題は、人としてどう生きるか、何を選ぶかという生き方の問題にもつながってくる。一貫した主張には単なる反原発という枠を超えた人間哲学が感じられる。