2002年に内部告発で公になった東電の「原発検査でのトラブル隠ぺい、検査記録の改ざん」事件を発端に次々と発覚したトラブル隠し。モラルハザードもここに極まれりといった感じだった。そして今回の原発事故における東電のあまりの当事者能力のなさ。
レベル7の放射性物質の放出事故ですよ。放射能を巻き散らかして、私たちと家族の命を危険にさらした責任はどうとるのか? 将来がんになっても、因果関係がはっきりしないとほっかむりですか?
イギリスの新聞、ファイナンシャルタイムスが非常用電源は防潮堤よりも低い場所、地下に置いていたこと指摘しても、東電の莫大な広告宣伝費が目の前にぶらさがっているせいか、日本のマスコミはあえて知らん顔。そんなところに置いていたら、6M程度の津波がきても水浸しになって使えなくなるでしょうに。ニュースで解説しているほとんどの原子力専門家は原子力でメシを食っているあっち(東電)サイドの人間で、直ちに健康被害はないとか安全だとか。ちがうでしょう! 事故が起こったときのモノサシは危険度のレベルであるべき。現在どの程度危険なのかという正確な情報とどのような放射能対策すればいいかという情報です。そして深刻な事態になりそうな時、なったときに情報を隠ぺいしないこと。今回の一連の東電、保安院の対応でそれは望めないことがはっきりした以上、自分で危機管理をしなければ。この本は反原発の立場から浜岡原発の危険性を扱っており、ページ数が少ないので情報量も多くはありません。しかし、書かれている内容はコンパクトにまとまっていますし、今回の福島原発事故でも十分参考になります。
この本を読んだ後に、危機的な状況にも関わらず官僚答弁みたいに何が言いたいのか要領を得ない記者会見を聞くと、本当に必要な情報をちゃんと伝えているのか心配になります。