メディアから流される放射線に関する安全性の議論を聞いていて混乱するのは、
「専門家」と称する人々が正反対の意見を展開するからで、
放射線に関して素人同然の私にその真偽が分かるはずもない。
娘はまだ10ヶ月だし、原発からは距離あるけど被災地だし、
牛肉から何か検出されてるし、不安は大きくなるばかり。
そこで本でも読んで勉強してみようかと本書を手にとってみたが、
文字が大きく、文字数も多くなく非常に読みやすい。
中学生くらいなら十分に理解出来るのではないだろうか。
そもそも、放射線の人体への影響に関しては放射線生物学の範疇と思われ、
原子物理学(?)専門家や作家等による解説書が多い中で、
日ごろから放射線医療に携わる医師による平易な文体の解説書が出たことは歓迎したい。
学生時代に学んだ(けど覚えていない・・・)放射線生物学の復習にもなった。
物足りないのは、データの出典や著者の主張の基となる引用文献が記載されていないことである。
引用文献を記載することにより、著者の主張の妥当性を客観的に議論する場が提供されると思う。
著者のblogでも良いので、是非とも引用文献の記載を願う。
それがこの本の価値をさらに高めていくと思う。
(余談)
それにしても引用文献を記した解説書がなんと少ないことか。。。
文献が丁寧かつ詳細に記載されていたのはブルーバックスの「人は放射線になぜ弱いか」くらいだった。
(他にあったら誰か教えてください)
書店に山積みになっている本の中には、原子力の専門家が新聞の切り抜きをデータとして多用していたが、
あれはないだろう。科学者なら査読つき学術雑誌の論文を基に主張を組み立ててほしい。
また、多量の放射線被曝による急性症例を持出して「こんなに怖い」と煽る本も多数あった。
あれもフェアじゃない。