どちらかと言うと世間からズレている事が持ち味の高野氏とその友人達が、重苦しい就職難の空気を気にせずにJ大学で行った講義をまとめたのが本書である。講義を行っていることは高野氏のブログにも載ってたので、今の大学生と話が合うんだろうか?と評者は正直なところ心配していた。しかし講義は盛況だったようである。
本書では高野氏は聞き役に徹しており、いつものハチャメチャさを見せておりません。その代わりに「類は友を呼ぶ。」とんでもないやつらが集まってます。海外で自ら道を切り開いてきた人達の人生は3回転生したくらいの密度があります。それと同時に、笑っちゃうくらい無茶な人生です。
それにしても、他人の苦境というのは読んでいて楽しいですね。ジャングルの中を象から必死で逃げるとか、サラリーマンとして赴任したら自動小銃が普通に売られている町だったりとか、事業に失敗して膨大な借金を作ってしまうとか。また、彼らは「これが駄目ならあれ」的な発想の転換も早いのですが、それも駄目だったりするのでやっぱり笑ってしまいます。
今の日本人が必要としているのは、能天気な笑いと、閉塞感を打破る外からの風だと思います。本書はまさにそういう本です。
将来の夢というと、何となく「大きな目標を立て、それに向け計画を立てて、地道に努力する。」ということを思い浮かべますが、本書の登場人物は目標も計画も曖昧なまま、結果的に夢を実現したわけで非常に羨ましい。
夢の実現のために手段をコロコロと変える柔軟さを持った人や、中には夢そのものを変えているのではないか?というさらに柔軟な方もおられます。
夢などは別にしても「明日を考えない、ただ今だけを生きる。」そんなシンプルな人生そのものが羨ましい。
人生経験豊富な各氏の言葉には重みがある。また、学び取れる物もあるだろう。しかし、そういう事は2回目以降にとっておけば良い。まずは、笑いながら一読することをお勧めする。