TeX使用経験が長いため、いわゆる入門書は避けて通ってきました。この本も、タイトルで判断して避けていたものです。
著者はTeX WikiやTeX Q&Aなどネット上での活動が豊富で、多くの情報と経験をお持ちということはわかっていましたが、付録DVDつきの入門書というイメージから、その経験が記されているとはつゆとも考えていませんでした。
今回、電子書籍やHTML5などの新しい動向を踏まえて、電子出版で一定の技術蓄積を積んできたTeXの動向を調べようとしたとき、また、フォントや文字コードの技術動向をきちんと学ぼうとしたとき、つねに指摘されてきたのがこの本の存在でした。
著者とのTwitterでの議論で、こうした技術関係一切合切の歴史と現在を学ぶには、この本が最も適していると確信し、購入しました。
内容はその期待を全く裏切らないものでした。
したがって、これからTeXをはじめてみようという人にわかりやすいかどうかという疑問は残りますが、基礎から最新の動向まですべてを見通したいという覚悟でTeXに触れられる方にとっては、初心者にもすれっからしのTeXnicianにも強くおすすめできます。むしろ、僕のように古いTeXの知識でなんとなく流されてきたオールドタイマーこそじっくりと読むべき本と思えます。
これだけの内容で、2色刷り冊子にDVDつきで3000ちょっとというのは非常にお得感があります。