当著作内でも書かれておられるが仲正教授はこれまでの著作でも社会・思想において言説を生産する敷居を上げようとされている。ただ、その一方で、敷居のラインを示すに最低限(と仲正教授が考えられている)必要な難解な教養・知識を分かりやすく解説するということを今回の著作だけでなく、これまでの著作でされている。
そのある意味、相矛盾する生産活動が人文系学問広範にわたり(哲学・思想、政治学・政治思想、経済学、経済思想、社会学・社会理論、法学・法哲学)凝縮というか超圧縮されているのが当著である。法学・法哲学に関する記述部分での身も蓋もなさ(白熱教室が成立する前提条件のような話)が面白かった。ある学問分野の簡易解説と、その学問分野のありようがないまぜになっていおり、仲正教授は本来、法学「類」教授であったということを再認識させられた。
そして、本を書くという行為の動力源・宛名が明らかなのは一読み物としても楽しい(以前は、北田教授だったのですが、今はネット系言論人だったんですね)。