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7 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
この愛ってしろものは何なのさ?,
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レビュー対象商品: 擬態―カムフラージュ (海外SFノヴェルズ) (単行本)
このアプローチのSFは初めてかも。深海のオーパーツという状況設定はスフィアに似てるし、キャラクタ設定は光瀬龍の百億の昼のシッタータとナザレの大工にそっくり。けれども、無敵のスーパー赤ん坊のカルエルが善良なケント夫妻にクラークケントとして育てられる幸運に恵まれなかったとしたら?というWhat ifが沢山詰まっています。タイムスパンがべらぼうに長いのも百億の昼に似てる。不老不死だから繁殖する必要もないし、無敵だから競争する必要もないし、締め切りがないから無目的に生き続けることも自由だったら?時間の概念や生きる死ぬとか善悪の常識をリセットすると十分に楽しめます。 食物連鎖の頂点に立つという位置づけで生きてきたチェンジリングが大恐慌時代のカリフォルニアに上陸して、サヴァン症候群の患者として成長して行きます。肉食獣であったソレは食事のために殺しを行う必要がないことを学習します。海兵隊でしごかれて、日本軍の拷問にあって友情を学習し、斬首刑にされることにより、同情も憐憫も持たぬ日本兵を反面教師として慈悲の心を学習します。実際、上陸以降は人間を一人も殺さなくなります。 一方、根っからのワルのヨーロッパ起源のヴァンパイアは自分が一人勝ちし続けるために同類を探し出して殺そうとします。コイツはナチのメンゲレに弟子入りして、アウシュビッツやビルケナウで悪逆非道のスキルに磨きをかけます。これらの不老不死の存在同士が対決したら? チェンジリングの成長過程での極悪日本兵は日本人にとっては耳が痛いところ。でも極端な悪が善と慈悲を照らし出す役目を果たしています。仏教の極楽から娑婆におりて遊んで修行するという教えに近いものがあります。ピノキオが良い子であり続ければいつか人間になれるというお話にも似ています。エンディングはあっけないけどとても爽やかです。
1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
結局、書きたかったのは何なんだ?,
By 青魔導師 (岐阜県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 擬態―カムフラージュ (海外SFノヴェルズ) (単行本)
海底で発見された異星人の遺物の解明記憶をなくした不死で変身能力のある異星人。サメとして生活した後、人間に変身し、ある時は米軍捕虜として、日本兵の残虐な虐待を受ける。赤ん坊が成長していくように、人間としての人格形成がなされていく。 もう一人?の異星人。残虐性があり殺人を好む。バンパイヤとして活躍後、ナチスでの活躍? この3つの視点から交互に物語が進むが、、、何?このラストは? 異星人の目を通して、人間の性善説・性悪説の検証や「愛は全てを救う」的なことを訴えたかったのかなぁ? もう少し、テンポが欲しい。
11 人中、7人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
エイリアンより理解不能な残酷な日本軍,
By ゴルディアス (愛知県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 擬態―カムフラージュ (海外SFノヴェルズ) (単行本)
戦争SFの第一人者ホールドマンが遂にWW'Uネタを描写したであります。隊長!敵は世界史に例をみない残虐非道の悪の鬼の日本兵! 主人公は日本刀で首を刎ねられ殺される。 でも大丈夫心配はいりません。 主人公は100万年以上生きてきた不死のエイリアンだったのです! ディーン・R・クーンツ の『ファントム』 のスーパーナチュラルのコンパクトタイプ。 町レベルには巨大化せず、 分裂も知性を保持するなら子供三人分が限度だが、 どんな物にも変身出来るし、 代謝システムを変更してどんな物でもエネルギーとして摂取できるのだ。 知的生命なので、生物に変身するのがメインだが、 脳のない無機物、床板やテレビに変身することも可能。 100万年以上生きてきて自分がエイリアンであることも忘れてしまったそれは、 自分の正体を探るため、そして仲間の変身生物を探すために、 1931年にアメリカに上陸し、人間として生活し、 天文学や生物学を学ぶ。 そして21世紀、海底から謎の円盤が発見される。 円盤は100万年以上海底に埋まっていたらしい。 それは、円盤が自分が乗ってきた宇宙船かもと思い、 魅力的な女性に擬態し、調査チームに潜入しようとする。 だが、円盤と変身生物を探しているエイリアンはそれ一人ではなかった…。 アーサー・C・クラークが登場人物として主人公のエイリアンに会ってるのが痛快であった。 もちろんエイリアンはクラークにはエイリアンであるとは明かしませんw 人間社会で100年生活し(この人間に成っていく過程も傑作!) 萌え萌えドジっ娘にも擬態出来るように成長したそれは、 愛する人間の男を守る為に最後に正体を現す。 この最後の戦いがちょっと物足りなかった。 無駄に長い小説を描かないのがホールドマンの長所だが、 ハードカバー一段組みで350Pない。 2倍のボリームでも楽しく読めたと思う。 というか、100万年分のエピソードを描けば、 シリーズ物にも出来るネタだが、 水増しせずに短くまとめるホールドマンは潔くてかっちょええよな。 章立ての多いカットバック小説でスラスラ読めます。 SFミステリとしての伏線もちゃんと張ってあります。 ラストであれがナニだったとは唐突だとは言わせない。 スティーブン・キングが言うように、ホールドマンには外れはない。
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