風景写真家・中橋富士夫氏については色々な評価もあると思うが、私は、氏の編集による撮影ガイドシリーズを断固支持する。オーソドックスな風景写真を独学でマスターしようとする者にとって、こんな有難いシリーズはない。難を言えば、すぐに手に入りにくくなり、古書に頼らざるを得なくなるという点である。
とにかく、写真の撮影された季節・時間・撮影データはもとより、アクセス情報に至るまで懇切丁寧に記載されている。こんな親切なシリーズはない。風景写真の初心者にとって、どこに行けば素晴らしい風景に出会えるのかということは、切実な問題である。そこを卒業しないで、オリジナル性のある風景写真などなかなか撮れるものではないのではないか? このガイドで、私は真鶴の三ツ石海岸の日の出や、富士山麓の白糸の滝、銚子の屏風ヶ浦などの撮影スポットで腕を磨くことができた。中橋氏の力業には心底より感謝している。同じ場所に行っても、撮る写真は決して同じにはならないはずである。
それから、見ているだけでも非常に美しいので、疲れたときなどに気軽にパラパラめくってみるにも良い。大勢のプロ・アマの写真家が参加されておられるが、みなさん、それぞれのフィールドで素晴らしい仕事をされている。これだけの写真が生まれた背景には大変な努力が背景にあるのであろうと思う。西日本編も併せて購読されることを是非お勧めする。日本って、こんなに美しかったのか、と感嘆させられるシリーズである。