摩擦に関する四方山話から現代の先端科学「トライボロジー(tribology)」に至るまで解説されています。日常生活の陰には必ず「摩擦現象」が起きていて、その摩擦をコントロールすることで新しい製品が生まれていったのだ、ということを再認識できました。そして、古くから知られている筈の摩擦現象の理解が実はそれ程進んでいないことに驚きました。(静摩擦力>動摩擦力となる理由って、実はまだ解明されてないとは!) また、科学(science)と工学(engineering)の違いに関する「寄り道話」は参考になりました。(例:電車のパンタグラフの集電板の摩耗を減らす話。確かに集電板の材質に注目しがちですからね。実は他の観点からアプローチがあります。「人から言われた現象だけではなく、物事の本当の目的まで立ち戻って自ら解決法を考えだすのがengineeringだ」という言葉に現れているように【物事の目的を、一歩下がって、大局的で多面的に捉える考え方】は確かに重要ですね。研究開発の現場に居ると痛感します)
なお、文字が多い本を読むのが苦手な人は同著者の「トコトンやさしい摩擦の本」をご覧になると良いかと思います。
【余談】開けにくいビン・缶のフタは、摩擦を利用すれば簡単に開きます。ゴム手袋があると簡単。もしゴム手袋が手元になければ輪ゴム2、3本をビンの蓋にまきつけるだけで結構簡単に開きます。これも摩擦の知識の応用ですね。(^_^)v