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11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
共感は禁物,
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レビュー対象商品: 摂氏零度の少女 (単行本)
頭脳明晰な女子高校生である主人公は、何匹もの動物を毒殺し、さらには実の母も毒殺しようとする。動物を毒殺する時は、一度に致死量を与えるので、その場で絶命するが、母には、微量の毒を、長期間飲食物などに混入する。 娘を全力で愛す母が、体長を悪化させる過程が克明に描かれ、読んでいて悪寒すら覚える。 物語の主眼は、主人公の尋常ではない心の揺れを、深い心理描写によって描いている点だ。 主人公の理屈は、幼少の頃に、飼い犬を病気のために、獣医により安楽死させられた事から出発している。 安楽死は、苦痛から逃れられる、甘美な手段だととらえた。 本書では、ストレスの多い仕事に忙殺されている母を死に追いやる事が、主人公にとって、母への最大の愛なのだ。 主人公は、多くの屁理屈で、自らを正当化しようとし、最愛の人の死を悲しむ人間を、偽善者呼ばわりまでする。 幼少時の一つの体験が、こんなにも偏狂的な内的世界を形成しているのには驚かされる。 しかし、哀しい。 主人公の心の中は、こんなにも殺伐としているのか。 唯一の救いは、主人公がこれで正しいのか? と自問自答する下りがある事だ。 あまりにも切ない。 偏狂的とはいえ、毒殺に甘美な快感すら覚える非尋常性が、猛烈に切ない。 猟奇的心理を前面に出した本書。 悲しく、切ないが、断じて共感は出来ない。
6 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
フィクション?ノンフィクション?,
By hash (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: 摂氏零度の少女 (単行本)
2007年末に清野かほりの「スパイラル」(ポプラ社)を読んだ時、帯で新堂冬樹がその本を絶賛していた。 それまで新堂冬樹作品を読んだことがなかったのだけれども、 他の作家を褒めていながら、自身も同時期にこの本を出版している・・・ どんな話を書く人なのだろう?と、興味を持って読むことにした。 何の前知識もなく読んで驚いた、これは2〜3年前におきた静岡の女子高生による 母親毒殺未遂事件がベースになっていたからだ。 読み進めれば進めるほど、あの女子高生が書いたのでは?と錯覚してしまい、 何度もゾっとし、不快な気分にもさせられた。 決して楽しい作品ではないが、恐いもの見たさに少女の心理を 垣間見ることのできる面白さがこの本にはある。
5つ星のうち 4.0
心の闇が,
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レビュー対象商品: 摂氏零度の少女 (単行本)
医学部志望の優秀な少女が、母にタリウムを飲ませ、殺そうとする…。新聞でこの事件を知ったとき、彼女は母によっぽどの「憎しみ」を持っていたのだろうと考えていました。本書はノンフィクションということですから、ここに書かれていることがあの事件の真実とはいえないのでしょうが、作者が彼女の犯罪の芯に「母への愛おしさ」を持ってきていることに愕然としました。 小さな頃にかわいがっていた犬を安楽死させた母。「苦しむよりも楽になること」を良しとした母。夫が仕事につかず、働きづめの母を「楽にしてあげよう」との理由で、殺害しようとたくらむ少女。心はとうに壊れているのですが、彼女なりの世界観で殺人を正当化しようとする不気味さ。 やはり子を持つ親として、彼女の心の闇を知りたいと思いながらも、どうしてもつじつまが合わず、結局この子は悪魔に魅入られてしまったんだと結論付けるしかない。読後、どうしようもない無力感に襲われた1冊でした。
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